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Au cimetière   Op.26  
  Melodies persanes
墓場にて  
     ペルシャのメロディー

詩: ルノー (Armand Renaud,1836-1895) フランス
    Les Nuits Persanes  Assis sur cette blanche tombe

曲: サン=サーンス (Charles Camille Saint-Saens,1835-1921) フランス   歌詞言語: フランス語


Assis sur cette blanche tombe
Ouvrons notre coeur!
Du marbre,sous la nuit qui tombe,
Le charme est vainqueur.

Au murmure de nos paroles,
Le mort vibrera;
Nous effeuillerons des corolles
Sur son Sahara.

S'il eut,avant sa dernière heure,
L'amour de quelqu'un,
Il croira,du passé qu'il pleure,
Sentir le parfum.

S'il vécut,sans avoir envie
D'un coeur pour le sien,
Il dira: J'ai perdu ma vie,
N'ayant aimé rien.

Toi,tu feras sonner,ma belle,
Tes ornements d'or,
Pour que mon désir ouvre l'aile
Quand l'oiseau s'endort.

Et sans nous tourmenter des choses
Pour mourir après,
Nous dirons: Aujourd'hui les roses,
Demain les cyprès!

この白い墓石の上に座って
ぼくたちの心を開き合おう!
大理石よ、夜が降り来るときに
魅惑は勝利者となるのだ

ぼくたちの言葉のつぶやきに
死者は震えるのだ
ぼくたちは花の冠をむしりとり
サハラの上に撒くのだ

もしも、最後の時の来る前に
誰かの愛があったなら
死者は信じられるのだ、自分が涙を流した過去に
芳しい香りがすることを

もしもその人が望むことなく生きていたのなら
自分の心を誰かと分かち合うことを
その人は言うだろう:私は自分の人生を無駄にしてしまった
何も愛することをせずに と

きみ きみは鳴らしているね 愛しいひとよ
きみの金の装身具を
ぼくの願いが翼を広げるように
鳥が眠っているときに

そしてぼくたちを苦しめるものは何もない
死んでしまったあとでは
ぼくらは言うのだ 今日はバラ
だが明日は糸杉 と


はじめ音楽だけ聴いたときは、死者を偲んでいるしみじみした歌だと思っていたのですが、詩を読んでみるとどうもそれだけではないようですね。夕暮れ時に墓場でデートなんてあまり趣味がよろしくないようにも思うのですけれど、けっこう人生の重さに感じ入っているようです。個人的な見解ですが、あまりこういうナンパの台詞は女性にはウケがよろしくはないのでは?まあこれがペルシャ流(というよりもサハラとか出てきて地理的には滅茶苦茶なので、正確には西欧から見た見知らぬ異郷としてのイメージですが)といったところでしょうか。音楽はしみじみと美しいです。

( 2012.03.19 藤井宏行 )


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