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Serres chaudes   Op.24-1  
  Serres Chaudes
温室  
     温室

詩: メーテルランク (Maurice Polydore Marie Bernard Maeterlinck,1862-1949) ベルギー
    Serres chaudes  Serres chaudes

曲: ショーソン (Amédée-Ernest Chausson,1855-1899) フランス   歌詞言語: フランス語


Ô serre au milieu des forêts !
Et vos portes à jamais closes !
Et tout ce qu’il y a sous votre coupole !
Et sous mon âme en vos analogies !

Les pensées d’une princesse qui a faim,
L’ennui d’un matelot dans le désert,
Une musique de cuivre aux fenêtres des incurables.

Allez aux angles les plus tièdes !
On dirait une femme évanouie un jour de moisson ;
Il y a des postillons dans la cour de l’hospice ;
Au loin,passe un chasseur d’élans,devenu in?rmier.

Examinez au clair de lune !
(Oh rien n’y est à sa place !)
On dirait une folle devant les juges,
Un navire de guerre à pleines voiles sur un canal,
Des oiseaux de nuit sur des lys,
Un glas vers midi,
(Là-bas sous ces cloches !)
Une étape de malades dans la prairie,
Une odeur d’éther un jour de soleil.

Mon Dieu ! mon Dieu ! quand aurons-nous la pluie,
Et la neige et le vent dans la serre !

おお温室よ 森のただ中にある
お前の扉は永遠に閉ざされている
そしてすべてのお前のドームの下にあるものよ!
そして私の魂の中にある お前そっくりなものよ!

飢えた姫君の考えること
砂漠の船乗りの憂鬱
癒えることのない者たちの窓に響くラッパの音楽

行くがいい 一番暖かい隅っこに!
それはまるで収穫の日にいなくなった女のよう
そこには御者たちがいる 病院の庭の中
遠くではトナカイの狩人が通り過ぎて行く 看護人になって

月明かりの下でしっかり観察するのだ!
(おお!何も適切な場所にないではないか!)
あれは裁判にかけられた狂女のように見える
一隻の戦闘艦が帆にいっぱい風を受けて海峡にある
夜の鳥は ユリの花の上
正午の鐘の音
(あそこの鐘の下さ!)
野原の中の傷病者の病院
晴れた日のエーテルの匂い

わが神よ!わが神よ!いつ私たちは雨を得られるのですか
雪やそして風を この温室の中で


ベルギーの詩人&作家のモーリス・メーテルランク、ドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」で良く知られていますが、彼の詩を歌曲にしている人はそれほど多くはありません(もともと書かれた詩の数が多くないのもひとつの理由ですが)。彼の詩に付けられた歌曲の中では、ショーソンが付けた5曲からなる歌曲集が最も良く知られています。もともと象徴的で難解なのがメーテルランクの詩ですので、後期ショーソンの内省的な音楽とはとても相性が良く、とても素晴らしい歌曲集が生まれました。

第1曲目、うねるようなピアノの伴奏に乗せて力のこもった歌が響きます。温室の中の生温かくも気だるい雰囲気の中、そこに見える熱帯の植物たちをぼんやりと眺めているといったところでしょうか。最後の神様への呼び掛けは敬虔に静かに終わりますが。

( 2012.03.03 藤井宏行 )


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