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Temps de Neige    
 
雪模様  
    

詩: ゴーティエ?ヴィラール (Henry Gauthier-Villars,1859-1931) フランス
      

曲: セヴラック (Marie-Joseph-Alexandre Déodat de Séverac,1883-1921) フランス   歌詞言語: フランス語


O l'heure douce ! O l'exquise seconde
Où nous restâmes seuls dans le salon frileux !
Le pâle éclat du jour rendait tes yeux plus bleus
Et de t'aimer déjà je te trouvais plus blonde.

A travers le vitrail fané nous regardions les flocons
Tournoyer le long des avenues ;
Sur la fontaine on aurait dit des papillons,
On aurait dit des lys dans les branches chenues...

Sans le vouloir mes doigts effleurèrent tes doigts,
Et ma bouche effleura ta bouche ;
Et,sortilège !
Ton visage et tes mains devinrent blancs et froids
Comme la neige.

おお 甘い時よ!おおとても素敵な瞬間!
ぼくたちは二人きりで凍えたサロンの中にいた
蒼ざめた昼間の光は 君の瞳をひときわ青く輝かせ
すでに君を愛していたぼくには 君の髪は一層ブロンドに思えたのだ

窓越しにぼくたちは粉雪を眺めてた
街路に沿って舞い散るのを
噴水の上では それは蝶のようだったし
それはユリの花みたいだった 枯れ枝の上で

思いがけず ぼくの指が君の指に触れ
そしてぼくの口は君の口に触れたのだ
すると魔法だ!
君の顔も手も白く 冷たくなったのだ
まるで雪のように!


なかなか洒落た感じの愛の歌です。最後の恋人が白くなったところが(私の誤訳の可能性も否定できませんが)ちょっと感覚的にしっくり来ませんけれども、あとはポピュラーソングになっても不思議ではないくらいくだけた感じの歌詞です。セブラックのつけたメロディはそれほど俗っぽくしてはおりませんが、それでも降る雪を表現するピアノ伴奏などはゾクッとするような美しさです。この詩を書いたアンリ・ゴーチエ・ヴィラールという人が当時の大衆小説の人気作家だったのだそうで、そう言われてみると納得するような歌詞の内容ですね。

タイトルは正確に訳すと「雪の時」ですが、セブラックの研究で最近非常に活躍されている椎名亮輔氏のつけたこの訳がとても素敵だったのでこちらをお借りすることにしました。

( 2012.02.11 藤井宏行 )


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