A song of the setting sun Songs of Sunset |
沈みゆく太陽の歌 日没の歌 |
A song of the setting sun! The sky in the west is red, And the day is all but done: While yonder up overhead, All too soon, There rises so cold the cynic moon. A Song of a Winter day! The wind of the north doth blow, From a sky that's chill and gray, On fields where no crops now grow, Fields long shorn Of bearded barley and golden corn. A song of a faded flower! 'Twas plucked in the tender bud, And fair and fresh for an hour, In a Lady's hair it stood. Now,ah! now, Faded it lies in the dust and low. |
沈みゆく太陽の歌! 空は西に赤く こうして一日は終わろうとしている はるかかなたの頭上 全く 忽然と そこに昇るのは冷たく皮肉っぽい月 冬の日の歌! 北からの風が吹きつける 冷え切った灰色の空から 今や作物の残っていない畑の上へと 畑はずっと前に刈り取られたのだ 波打つ大麦や黄金の小麦は しおれた花の歌! それはまだたおやかなつぼみのうちに摘み取られ ほんの一時だけ美しくみずみずしく 淑女の髪に飾られていたが 今や、ああ!今や しおれて泥の中に打ち捨てられている |
若くして死んだ憂愁の詩人アーネスト・ダウソンの、恋を歌っていながら同時に人生のはかなさを歌う詩を集めて、オーケストラの伴奏によるバリトンとメゾソプラノ(又はソプラノ)の独唱と合唱の曲をディーリアスが書きました。
ディーリアスの描きだす淡彩画のような静かなメロディに、このすべてを諦めきったような穏やかな歌詞が良く合っていて、なんとはかなくも美しい音楽になっています。
第1曲目は合唱のみによって歌われるナンバー。ダウソンの詩の題名は“MORITURA” ラテン語で「死にゆく者たち」の意味のようです。ダウソンの原詩は4節からなっていて、ディーリアスが省略した第3節では「ひとりの老いた男の歌」が入っています。
( 2012.02.04 藤井宏行 )