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Veni creator spiritus    
  Symphony no. 8 Part.1
来たれ創造主たる聖霊よ  
     交響曲第8番第1部

詩: マウルス (Rabanus Maurus Magnentius,c780-856) ドイツ
    Pentecost hymn  

曲: マーラー,グスタフ (Gustav Mahler,1860-1911) オーストリア   歌詞言語: ラテン語


(Chor)
Veni,veni creator spiritus,

Veni,veni creator spiritus
Veni,veni creator spiritus
Veni,veni creator veni veni
veni veni
veni spiritus creator

spiritus o creator veni
creator creator creator
mentes mentes tuorum visita;
mentes tuorum visita;
Veni,veni veni veni!
  Visita mentes

(Sop solo)
imple superna gratia,gratia
quae tu creasti
(Sop&Alto )
imple superna gratia,gratia
gratia superna imple
(Br Solo)
gratia superna
(Ten Solo)
imple superna gratia,
(Soli)
quae tu creasti pectora.
(Ten Solo)
creasti pectora.

(Chor )
imple superna gratia,gratia
(Chor,Sop & Ten )
quae tu creasti pectora.
(Alto solo)
imple superna gratia

(Chor)
pectora. pectora.
quae tu creasti

(Soli)
Qui Paraclitus diceris,
Qui Paraclitus diceris,

(Chor)
Donum Dei

(Ten Solo)
donum Dei altissimi,altissimi,
Dei Dei
(Alto Solo)
altissimi

(Chor)
Donum Donum
(tu Paraclitus)

(soli)
fons vivus,vivus,ignis,
caritas,caritas,
ignis,caritas,

(Sop & Chor)
et spiritalis unctio.
et spiritalis spiritalis spiritalis
(ignis caritas)

(Chor)
Veni,veni creator
Veni,veni creator
Veni,Veni,Veni
imple superna
quae tu creasti pectora.
Superna,superna superna gratia!

(合唱)
来たれ 来たれ創造主たる聖霊よ

来たれ 来たれ創造主たる聖霊よ
来たれ 来たれ創造主たる聖霊よ
来たれ 来たれ創造主よ 来たれ 来たれ
来たれ 来たれ
来たれ 聖霊よ 創造主よ

聖霊よ おお創造主よ 来たれ
創造主よ 創造主よ 創造主よ
心を 御身のものであるこの心を訪れよ
御身のものである心を訪れよ
来たれ 来たれ 来たれ 来たれ!
  訪れよ 心を

(ソプラノ独唱)
満たし給え 天よりの恵みで 恵みで
御身の創造せし
(ソプラノ&アルト)
満たし給え 天よりの恵みで 恵みで
天よりの恵みで 満たし給え 
(バリトン)
天よりの恵みで
(テノール)
満たし給え 天よりの恵みで
(独唱)
御身の創造せしこの胸を
(テノール)
創造せしこの胸を

(合唱)
満たし給え 天よりの恵みで 恵みで
(合唱・ソプラノ・テノール)
御身の創造せしこの胸を
(アルト)
満たし給え 天よりの恵みで

(合唱)
この胸を この胸を
御身の創造せし

(独唱)
慰め主と呼ばれるお方よ
慰め主と呼ばれるお方よ

(合唱)
神の贈り物

(テノール)
至高の神の贈り物 至高の
神の 神の
(アルト)
至高の

(合唱)
贈り物 贈り物
(慰め主よ)

(独唱)
生命の泉、泉、炎よ、
慈しみよ 慈しみよ
炎よ 慈しみよ

(ソプラノと合唱)
そして精神の香油よ
そして精神の 精神の 精神の
(炎よ 慈しみよ)

(合唱)
来たれ 来たれ創造主よ
来たれ 来たれ創造主よ
来たれ 来たれ 来たれ
天より満たせ
御身の創造せしこの胸を
天よりの 天よりの 天よりの恵みで!


マーラーの大作、交響曲第8番は2部構成からなり、その第1部にはラテン語の歌詞が付けられています。8世紀から9世紀にかけて活躍したマインツの修道士ラバヌス・マウルス(780頃〜856)が書いたと言われる聖霊の賛歌(Veni Creator Spiritus)をもとにしておりますが、マーラー自身の手によって自由に語順を変更され、また8人の独唱者と2部の合唱、それに児童合唱までが同時に違う歌詞を歌っている部分もそこかしこにあるために、CDの歌詞カードなどを見ていても今何と歌われているのかが分からなくなる状況が容易に起こってしまいます。それも悔しいので、ここではできるだけ曲の流れに沿って歌詞を記載し、それに可能な限り忠実な訳を付けることで私自身の、そしてよろしければ皆様の観賞の助けとなることを狙ったものです。とは言いながら複数の歌詞が並行して走っているところではすべてを書き記すことは極めて難しかったので、音で聴いていて目立ったところを主に拾い上げております。
拾い上げに参照したCDはラファエル・クーベリック指揮のバイエルン放送交響楽団のもの(DG)、派手さはありませんがキビキビと引き締まった非常にバランスの良い名演奏だと思います。この訳詞を目で追って行く際に録音が違うと声部の強調の違いで、ここに拾っていない言葉の方が聴こえてしまうところもあるかとは思いますがそこはご容赦ください。

さて、マーラーが原詩の順序をだいぶ激しく改変しておりますので、グレゴリオ聖歌にも使われているもとの歌詞はこちら(Veni Creator Spiritus)に対訳を記載しました。復活祭から50日後に行われる「聖霊降誕祭(ペンテコステ)」を祝う讃美歌なのですね。この日にキリスト教の使徒たちのもとに聖霊が降りてきたという故事を記念したものです。

冒頭部分、いきなり大合唱で力強く主題が歌われます。キリスト教の三位一体の教え通り、創造者たる父なる神と、御子イエスと、そして聖霊は一体の同じものとされておりますので「創造者たる聖霊よ降り来たれ」と繰り返し呼びかけています。
音楽が一旦静まったあと、独唱者たちが同じ願いを、「恵みあれ」と言い換えて訴えて行きます。慰め主(Paraclitus)というのは聖霊の別名、救いの主とも訳されるでしょうか。
「至高の神の贈り物」「生命の泉」「炎」「慈しみ」「精神の香油」とあるのはこの聖霊の言い換えですね。
再び冒頭の第一主題、聖霊への呼び掛けが戻ってきて力強く主題提示部は終わります。

( 2012.01.01 藤井宏行 )


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