Noch' |
夜 |
Moj golos dlja tebja i laskovyj i tomnyj Trevozhit pozdnee molchan’e nochi temnoj. Bliz’ lozha moego pechal’naja svecha Gorit. Moi slova slivajas’ i zhurcha, Tekut... ruch’i ljubvi,polny toboj! Vo t’me nochnoj,tvoi glaza blistajut predo mnoj, Mne ulybajutsja i zvuki slyshu ja! Moj drug,moj nezhnyj drug,ljublju tebja... Tvoja... Tvoja! |
ぼくの声はきみへ向け 優しくも哀しく 夜の闇の静けさを打ち破って響く ぼくのベッドのそばには 悲しげにろうそくが 灯っている;ぼくの言葉は溶け合ってざわめくように 流れる...愛の調べ きみへの想い 夜の暗闇の中、ぼくの前できみの瞳は輝き ぼくに微笑みかける、そしてこんな声がぼくには聞こえる 私のひとよ、私の大好きなひと...あなたが好き...あなたが...あなたが! |
ムソルグスキーには意外なことに、ロシアの作曲家で手をつけていない人はいないだろうという程ポピュラーなプーシキンの抒情詩に付けた歌曲というのがほとんどありません。まあこの当時に主流であったプーシキンのトロトロの恋愛詩に甘い愛のメロディを付けるということにはあまり興味のなさそうな人でしたのでなんとなく納得ではあります。ところがそんな彼にも、なぜかプーシキンの恋愛詩の中でも1・2を争うのではないかと思える位甘い愛の詩を歌曲にしているものがありました。それがこの曲です。
ルビンシュタインが同じ詩につけたようなめちゃくちゃ耽美的な音楽にしていないところが彼の矜持でしょうが、面白い歌曲となりました。
( 2011.12.30 藤井宏行 )