TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Pesn’ startsa    
 
老人の歌  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      An die Türen will ich schleichen 原詩: Johann Wolfgang von Goethe ゲーテ,Wilhelm Meisters Lehrjahre (ヴィルヘルム・マイスターの修業時代)

曲: ムソルグスキー (Modest Petrovich Mussorgsky,1839-1881) ロシア   歌詞言語: ロシア語


Stanu skromno u poroga,
V dveri tikho ja vojdu
Pust’ dadut mne radi Boga,
Snova dalee pojdu.

Schastliv,kto pered soboju
Uzrit bednogo menja
On poplachet nado mnoju,
A o chem,ne znaju ja.

私は敷居のところにつつましく立とう
戸口に静かに向かおう
私に神の施しが与えられるだろう
再び それから歩き出そう

幸せなのだ その人の前に立つときに
私が哀れに見える人は
その人は私を見て泣くだろう
だがそれは 私には分からないことなのだ


ゲーテの「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」より、老竪琴弾きの歌です。ドイツ語の原詩にはシューベルトやシューマン、ヴォルフなどの作曲したものもありますが、ムソルグスキーもこの詩を選んで作曲していたというのは興味深いことです。虐げられた人々に暖かい眼差しを向けたムソルグスキーですので、この心が壊れて放浪する老人の言葉に大変惹きつけられたということもあるのでしょう。

訳詞はできるだけ、ロシア語の詩より行いましたが、良く分からなかったところはドイツ語の原詩を参照したところもあります。

( 2011.12.30 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ