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Cantique de Jean Racine   Op.11  
 
ラシーヌの賛歌  
    

詩: ラシーヌ (Jean Racine,1639-1699) フランス
      

曲: フォーレ (Gabriel Fauré,1845-1924) フランス   歌詞言語: フランス語


Verbe égal au Très-Haut,notre unique espérance,
Jour éternel de la terre et des cieux,
De la paisible nuit nous rompons le silence:
Divin sauveur,jette sur nous les yeux.

Répands sur nous le feu de ta grâce puissante;
Que tout l'enfer fuie au son de ta voix;
Dissipe ce sommeil d'une âme languissante
Qui la conduit à l'oubli de tes lois!

Ô Christ ! sois favorable à ce peuple fidèle,
Pour te bénir maintenant assemblé;
Reçois les chants qu'il offre à ta gloire immortelle,
Et de tes dons qu'il retourne comblé.


いと高きところのお方と等しき言葉 われらが唯一の希望
永遠の光なるお方 地上とそして天界の
静かなる夜に われらはその静寂を破りましょう
神なる救い主よ われらが上にその眼差しを投げかけ給え

われらの上に注ぎ給え 力強き恵みの炎を
あらゆる苦しみが御身の声の響きで逃げ去りますように
眠りを追い払い給え 魂の苦悩の眠りを
それは御身の掟を忘れさせるものなれば

おおキリストよ!慈しみ給え この忠実な民を
御身を讃えんと 集まりし民を
この賛歌を受け取り給え 御身の栄光をたたえる歌を
御身よりの贈り物への返礼たるこの歌を


タイトルのCantiqueとは聖書にある讃美歌や雅歌のことを言うのだそうで、ここでは17世紀の詩人ジャン・ラシーヌの手になるそのような神をたたえる詩に曲をつけています。ですから意味を正確に表すには「ラシーヌの手になる讃美歌」とでもすべきところですが、ここでは通常訳に従いました。
ここで述べられている神を讃える言葉を、集まってきた人々が静かな夜の礼拝で発すること、その礼拝の情景をまだ若きフォーレが絶妙の美しさで合唱曲としています(1873年の作)。

( 2011.12.25 藤井宏行 )


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