Cantique de Jean Racine Op.11 |
ラシーヌの賛歌 |
Verbe égal au Très-Haut,notre unique espérance, Jour éternel de la terre et des cieux, De la paisible nuit nous rompons le silence: Divin sauveur,jette sur nous les yeux. Répands sur nous le feu de ta grâce puissante; Que tout l'enfer fuie au son de ta voix; Dissipe ce sommeil d'une âme languissante Qui la conduit à l'oubli de tes lois! Ô Christ ! sois favorable à ce peuple fidèle, Pour te bénir maintenant assemblé; Reçois les chants qu'il offre à ta gloire immortelle, Et de tes dons qu'il retourne comblé. |
いと高きところのお方と等しき言葉 われらが唯一の希望 永遠の光なるお方 地上とそして天界の 静かなる夜に われらはその静寂を破りましょう 神なる救い主よ われらが上にその眼差しを投げかけ給え われらの上に注ぎ給え 力強き恵みの炎を あらゆる苦しみが御身の声の響きで逃げ去りますように 眠りを追い払い給え 魂の苦悩の眠りを それは御身の掟を忘れさせるものなれば おおキリストよ!慈しみ給え この忠実な民を 御身を讃えんと 集まりし民を この賛歌を受け取り給え 御身の栄光をたたえる歌を 御身よりの贈り物への返礼たるこの歌を |
タイトルのCantiqueとは聖書にある讃美歌や雅歌のことを言うのだそうで、ここでは17世紀の詩人ジャン・ラシーヌの手になるそのような神をたたえる詩に曲をつけています。ですから意味を正確に表すには「ラシーヌの手になる讃美歌」とでもすべきところですが、ここでは通常訳に従いました。
ここで述べられている神を讃える言葉を、集まってきた人々が静かな夜の礼拝で発すること、その礼拝の情景をまだ若きフォーレが絶妙の美しさで合唱曲としています(1873年の作)。
( 2011.12.25 藤井宏行 )