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Argwohn Josephs   Op.27-5  
  Marienleben
ヨセフの疑念  
     マリアの生涯

詩: リルケ (Rainer Maria Rilke,1875-1926) オーストリア
    Das Marien-Leben 5 Argwohn Josephs

曲: ヒンデミット (Paul Hindemith,1895-1963) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Und der Engel sprach und gab sich Müh
an dem Mann,der seine Fäuste ballte:
Aber siehst du nicht an jeder Falte,
daß sie kühl ist wie die Gottesfrüh.

Doch der andre sah ihn finster an,
murmelnd nur: Was hat sie so verwandelt?
Doch da schrie der Engel: Zimmermann,
merkst du's noch nicht,daß der Herrgott handelt?

Weil du Bretter machst,in deinem Stolze,
willst du wirklich den zu Rede stelln,
der bescheiden aus dem gleichen Holze
Blätter treiben macht und Knospen schwelln?

Er begriff. Und wie er jetzt die Blicke,
recht erschrocken,zu dem Engel hob,
war der fort. Da schob er seine dicke
Mütze langsam ab. Dann sang er lob.


そして天使は語りかけた 苦心しながら
拳を固めたその男に向かって
汝は見ないのか どこを見ようとも
彼女は清らかではないか 神の朝のように と

だが男は天使を不満げに見て
ただつぶやいた:彼女はどうしてこんなに変わったのだ?と
そこで天使は叫んだ:大工よ
汝は気が付かないのか、これぞ主であられる神の御業だと?

汝は板を作るというのに、おごり高ぶりて
汝は本気で責めようというのか
つつましくもまさにその同じ木より
葉を茂らせ つぼみを膨らませている方のことを?

彼は理解した そしてまなざしを
驚きに満ちて 天使の方へと上げたが
もう天使は去っていた、そこで彼は自分の厚い
帽子を脱いだ それから賛美の歌を歌った


それはまあ、妻が自分に覚えがないのに妊娠などしていたら、このような態度に出るのは至極当然のように思いますが、キリスト教者でない私のようなものから見ると説明になっていない天使の説得にあっさり納得してしまうのは何とも不思議な感じではあります。ヒンデミットらしいピアノの歯切れの良い強打(バッハのクラブサンの曲を過激にしたような感じ)に乗せて、緊迫したヨセフと天使のやり取りが綴られていきます。この曲は1923の原典版よりも1948の改訂版の方が弾けた感じがして面白いように私には思えました。

( 2011.12.22 藤井宏行 )


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