Seligkeit D 433 |
至福 |
Freuden sonder Zahl Blühn im Himmelssaal Engeln und Verklärten, Wie die Väter lehrten. O da möcht ich sein Und mich ewig freun! Jedem lächelt traut Eine Himmelsbraut; Harf und Psalter klinget, Und man tanzt und singet. O da möcht ich sein Und mich ewig freun! Lieber bleib ich hier, Lächelt Laura mir Einen Blick,der saget, Daß ich ausgeklaget. Selig dann mit ihr, Bleib ich ewig hier! |
数え切れないほどの喜びが 天国の広間に咲いている! 天使や聖者もいると 神父さんは教えてくれた ああ、そこへ行って 永遠の喜びを得たいものだ 天国の女神が だれにでも微笑みかける ハープがなって、 みな踊り、歌うんだ ああ、そこに行って 永遠の喜びを得たいものだ でも僕はこの地上にいる事にする ラウラが僕に微笑みかければ 一度のまなざしで 僕の嘆きは消え去ってしまう だから僕は彼女と幸せに 永遠にここにいるんだ! |
これはシューベルト入門にも最適な美しい小唄。歌詞を知らなくても大体想
像が付く曲調。他愛の無いラブソングというやつです。しかし、最初の2節で
天国の生活をたたえ、3節めで、それより恋人のいるこの地上が良い、とノ
ロケる内容が、対訳によっては不明瞭で、まるで死を願う曲みたいになって
いるのがあります。それでちょっとわかりやすくしてみました。
名曲だけに数多くの録音がありますが、やはりこういう曲になるとアメリンク
が素晴らしいですね。まず声の美しさ、そして非常に巧妙でありながら自然
に聴かせるテクニック、言う事ありません。
アメリンクは昨年の引退公演で、アンコールにこの曲を歌いました。その時
のほかの曲、たとえば「ロザムンデのロマンス」のような美声を必要とする曲
では衰えが目立ち、痛々しさが感じられましたが、アンコールのこの曲では
奇跡的に往年の輝きを見せ感動的でした。ドレスの裾をさっとさばいてから、
さっそうと歌うアメリンクの姿は忘れられません。
( 1998.08.05 甲斐貴也 )