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Sonnet de Ronsard    
 
ロンサールのソネット  
    

詩: ロンサール (Pierre de Ronsard,1524-1585) フランス
      Ha,bel accueil

曲: デュカ (Paul Abraham Dukas,1865-1935) フランス   歌詞言語: フランス語


Ha,bel accueil,que ta douce parole
Vint traîtrement ma jeunesse offenser,
Quand au premier tu la menas danser
Dans le verger l'amoureuse carolle.

Amour adonc,me mit à son école,
Ayant pour maître un peu sage penser,
Qui sans séjour me mena commencer
Le chapelet de la danse plus folle.

Depuis cinq ans dedans ce beau verger,
Je vais ballant avec faux danger,
Sous la chanson d'Allégez-moi,Madame:

Le tabourin se nomme fol plaisir,
La flûte erreur,le rebec vain désir,
Et les cinq pas la perte de mon âme.

ああ 美しき親切心よ なんとお前の甘い言葉が
卑怯にもやってくるのだ 私の若さを脅かそうと
初めてお前がダンスに誘ったとき
果樹園の下の愛の輪舞に!

愛はそれから私を学校に押し込んで
教師となって良からぬ知識を教え込む
おかげでわけもなく私は始めさせられたのだ
かくも馬鹿げた輪舞の花輪を

この五年の間 美しき果樹園の中で
私はずっと踊っていたのだ 偽りの危険と一緒に
「私を安らがせてください マダム」の歌に乗せて

タンブランは狂おしき喜びと呼ばれ
フルートは過ちと レベックはむなしき願いと
そして五拍子のステップはわが魂の喪失と呼ばれるのだ


もともと自己批判精神が強く、作品をほとんど残していない人でしたから、現在残っている歌詞つきの歌曲がこの1曲だけ(もう一曲ヴォカリーズのものがあるようですが)だというのもデュカらしいと言えましょうか。これはもともと詩人ロンサールの生誕400周年を記念して、雑誌「ルヴュ・ミュジカル」が企画したものに載せられたものなのだそうで、現在でもこの企画の中で残っている有名な作品にはラヴェルの「ロンサールの己が魂に」があります。他にもルーセル、オネゲル、カプレなど錚々たる顔ぶれが参加しており、それぞれ興味深いスタイルの歌を書いています。デュカのこの曲、私は全く知らなかったのですが、カウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーの録音したフランス歌曲集のCDにさりげなく収録されているもので初めて聴くことができました。地味ですが味わい深い曲。詩はロンサールの恋愛詩集(1552)より。非常に分かりにくい内容なのでうまく訳せているかどうか自信がありませんが、恋に踊る心をダンスになぞらえ、自嘲しているようなユーモラスな感じもする詩のようです。

( 2011.11.23 藤井宏行 )


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