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I ruki l’nut k rukam Op.68 Chetyre stikhotvorenija Rabindranata Tagora |
そして手は手と寄り添い タゴールによる４つの詩 |
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I ruki l’nut k rukam，i ochi smotrjat v ochi - Tak prost nash gimn serdets v sijan’e etoj nochi. Luna nam tikho svetit，struitsja aromat， I flejta，i girljanda v zabvenii lezhat. Zachem teper’ mne zvuki，zachem tebe tsvety. Prosta ljubov’，kak pesnja，zdes’ tol’ko ja da ty. I smotrjat ochi v ochi，i l’nut k ustam usta. Mezh mnoju i toboju ljubov’，kak pesn’，prosta. |
そして手は手と寄り添い、瞳は瞳を見入るのだ とても簡単な私たちの心の賛歌は 夜の輝きの中 月は私たちに穏やかに照りかけ、香りがただよう そして横笛も 花輪も 忘却のうちに横たわる どうして今私に音が どうしてあなたに花が 単純な愛は、歌のように、ここにはただ 私とあなただけ そして瞳は瞳を見入り、口は口に寄り添う 私とあなたの間の愛は、歌のように、簡単なもの |
もう１０年以上も前に第２曲「黄色い小鳥」だけを取り上げていたロシアの作曲家イッポリトフ＝イヴァーノフのタゴールの詩による歌曲集、残りの３曲も詩人タゴールの生誕１５０周年を記念して取り上げることにしましょう。とは言いながらこの歌曲集、とても素敵なのにも関わらずあまりにマイナー過ぎて耳にできる機会がとても少ないのが残念な作品なのです。「黄色い小鳥」を取り上げたときにご紹介したメゾソプラノのドルハーノヴァ盤（Russian Disc)はもちろん今は入手不可能ですし、その後国内盤まで出たソプラノのヒブラ・ゲルズマーワ盤（Triton)もとてもいい選曲と歌唱のロシア歌曲集だったのですがもう遠い昔に廃盤の状態。たいへん残念でなりません。
Youtubeですのでいつまでアップされているのか分からないのと、演奏がいまひとつキレに欠けるのが惜しいですが、gouglinadiana さんのチャンネルで全４曲、自ら歌っている動画が見られますので、ご興味おありの方はアクセスしてみてください。ロマンティックなこの歌曲集の片鱗を感じ取って頂ければと思います。
http://www.youtube.com/user/gouglinadiana
この歌曲集、ピアノ伴奏に加えてオブリガート楽器としてヴァイオリンを使うケース（ドルハーノヴァとYoutubeのgouglinadiana ）、フルートを使うケース（ゲルズマーワ）があるようです。音楽の感じからするとフルートの方が良く合っているように思えますが、どちらでも素敵なことに変わりはありません。
この第１曲と「黄色い小鳥」の２曲だけなのが残念ですが、オブリガートにフルートを使っている版（ピアノのかわりにハープ伴奏です）は、やはり自ら歌っているAnnaAzernikovaさんのYoutubeページで聴けますのでこれも聴き比べて頂けると良いのではないかと思います（こちらの演奏の方が圧倒的に巧いのでフェアな比較にはなっていませんが）。
http://www.youtube.com/user/AnnaAzernikova
第１曲目、詩はタゴールの詩集「園丁」から１６番目の詩。この詩集の中では比較的良く知られた詩のようで時折引用されているのを目にします。ロシア語の詩は原詩（といっても私が分かるのは英語に訳されたものでしかないですが）とはかなり違っていますし、イッポリトフ＝イヴァーノフが歌にしたのはかなりカットされています。音楽はエキゾティックな、そして神秘的な愛の秘跡．．．愛の触れ合いに陶酔しつつも心は永遠をさまようといった雰囲気の不思議な佇まいです。インド情緒とは程遠いですが、どこかオリエンタルな味わいのするメロディです。
( 2011.11.11 藤井宏行 ）