Élégie |
エレジー |
Rêve d’un bonheur effacé, Mon coeur lassé t’appelle en vain dans la nuit Tendres serments échangés, Soirs enivrés, vous reposez dans l’oubli… C’est la fin des beaux jours, ô souvenir de nos brèves amours ! La nuit descend lentement sur nos coeurs L’automne effeuille les fleurs, La paix du soir vient adoucir nos douleurs Tout nous trahit,tout nous fuit sans retour Tout nous trahit sans retour |
幸せの夢は消え去り 疲れ切った私の心は 空しくあなたを呼ぶ この夜の中 交わしたやさしい誓い 酔いしれた夜 あなたは安らいでいる 忘却の中で... 美しい日々の終わりだ おお はかない恋の思い出よ! 夜がゆっくりと私の心の上に降りてくる 秋は花たちを散らし 夕暮れの安息は私たちの苦しみを和らげてくれるのだ すべてが私たちを裏切り すべては逃げ去って戻ってはこない すべてが私たちを裏切り 戻らないのだ |
マスネの書いたメロディはもともとはピアノ独奏曲「風俗的小品(Pièces de genre)」Op.10 の5曲目「メロディ(Mélodie)」で、のちにルコント・ド=リルによる劇「復讐の女神たち」の中で、アガメムノンの墓前に酒を捧げるエレクトラのシーンでの音楽に転用され、またのちに歌詞が付けられて歌曲としても演奏されることになった、ということのようです。通常はだいぶ昔にこのサイトでも訳詞を取り上げましたルイ・ガレの歌詞で歌われることが多いようですが、時折ここでご紹介したピエール・ロリスの詞によって歌われることがあります。
こちらはヘンドリックスの録音ではタイトルが「夕べの悲しみ(Tristesse du soir)」となっておりますので、この題名の方が正かもしれません。ただ「エレジー」の方が通りが良い題名なので、それで呼ばれることの方が多いようです。ガレの方の詞もこのロリスの詞も、メロディの感傷的なところを実によく引き出していて素晴らしいと思います。
( 2011.11.03 藤井宏行 )