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Je me metz en vostre mercy    
  Douze rondels
私はあなたの慈悲を乞います  
     12のロンデル

詩: オルレアン,シャルル・ド (Charles,Duc d'Orléans,1394-1465) フランス
      Je me metz en vostre mercy

曲: アーン,レイナルド (Reynald Hahn,1875-1947) フランス   歌詞言語: フランス語


Je me metz en vostre mercy,
Très belle,bonne,jeune et gente;
On m'a dit qu'estes mal contente
De moy,ne sçay s'il est ainsy.

De toute nuit je n'ay dormy,
Ne pensez pas que je vous mente!
Je me metz en vostre mercy,
Très belle,bonne,jeune et gente.

Pour ce,très humblement vous pry
Que vous me dittes vostres entente:
Car d'une chose je me vente
Qu'en loyauté n'ay point failly:
Je me metz en vostre mercy.

私はあなたの慈悲を乞います
こよなく美しく やさしく 若く 穏やかなひとよ
私は言われました 間違っていたと
私が 本当のことかは存じませんが

一晩中 私は眠ることができません
どうかお思いにならないでください 私が嘘をついているなどと
私はあなたの慈悲を乞います
こよなく美しく やさしく 若く 穏やかなひとよ

それゆえに 極めて謙虚にあなたにお願いしましょう
あなたの御意志を私に告げてくださいますようにと
私の売りのひとつが
誠意において失敗したことがないことなのですから
私はあなたの慈悲を乞います


この12のロンデルに、15世紀の詩人シャルル・ド・オルレアンの詩は3篇登場します。ひとつは合唱ですので独唱は2曲で、この曲以外のもう一篇の方は有名な「彼女の館に捕らえられた時」、詩もユニークでしたし、つけられた音楽も擬古典的なスタイルがたいへんに面白い曲でした。この曲の方もそんな擬古典スタイルがなかなかに魅力的なのですが、あちらほど弾けた音楽になっていない分少々地味になってしまいました。もっともこちらもなかなかに面白い詩で、じっくり詩を読みながら曲を聴くと実に面白いです。淡々と訴えかけるようにこの詩を語るところは思わず微笑んでしまいます。

( 2011.10.29 藤井宏行 )


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