Nocturne FWV. 85 |
夜想曲 |
O fraiche nuit,nuit transparente, Mystère sans obscurité, La vie est noire et dévorante. O fraiche nuit,nuit transparente, Donne-moi ta placidité. O belle nuit,nuit étoilée, Vers moi tes regards sont baissés, Éclaire mon âme troublée, O belle nuit,nuit étoilée, Mets ton sourire en mes pensers. O sainte nuit,nuit taciturne, Pleine de paix et de douceur, Mon cœur bouillonne comme une urne, O sainte nuit,nuit taciturne, Fais le silence dans mon cœur. O grande nuit,nuit solennelle, En qui tout est délicieux, Prends mon être entier sous ton aile, O grande nuit,nuit solennelle, Verse le sommeil en mes yeux. |
おお爽やかな夜よ 澄み渡る夜 暗闇なき神秘よ 人生は暗く、身をやつれさせる おお爽やかな夜よ 澄み渡る夜 私におくれ お前の平静さを おお美しい夜よ 星の夜 私にそのまなざしを上から注ぎ 悩めるわが魂に光を当てておくれ おお美しい夜よ 星の夜 お前の微笑みを私の思いに見せておくれ おお聖なる夜よ 沈黙の夜 安らぎと甘美さに満たされた夜よ 私の心は泡立つ 煮立った大釜のように おお聖なる夜よ 沈黙の夜 私の心を静めておくれ おお偉大な夜よ 厳かな夜 その中ではあらゆるものが美しい 私のすべてをお前の翼の下に入れておくれ おお偉大な夜よ 厳かな夜 眠りを私の目に与えておくれ |
個人的には「バラの結婚」のような愛らしいメロディの方がフランクの歌曲としては魅力的なように思えるのですが、この曲の方がフランクの歌曲としては評価が高いのでしょうか。より多く取り上げられます。確かにこの精妙で気品あふれる味わいは彼の音楽のひとつの美質であることは間違いありません。
暗く寂しい音楽の繰り返しが、最後のフレーズでほのかに明るくなり、安らぎの表情を見せるところが聴きものでしょうか。
1884年フランク円熟期の作品です。
( 2011.09.30 藤井宏行 )