Quando incise su quel marmo |
彼女がこの大理石に刻みつけた時には |
Questa è la valle,il sasso è questo in cui di Gilda al nome unito il mio nome è scolpito, e in queste guise, se tradirmi volea,perché l'incise? Quando incise su quel marmo l'infedele il nome mio, invocando il cieco Dio, fede eterna a me giurò. Spergiura! e questa pietra il mio nome addita ancora, ma l'idea di chi t'adora, nel tuo sen si cancellò. |
ここがかの谷間、これがあの石だ ジルダの名前と一緒に 私の名前が刻まれている こんな風に 彼女が私を裏切るのだったら どうして刻みつけたのだ? 彼女がこの大理石に刻みつけた時には あの不実な女が 私の名前を 盲目の愛の神を呼びながら 永遠の誠を誓ったというのに 偽りの女よ この石は まだ私の名前を記してはいるが お前を愛している者のことは お前の胸からは消え去ったのだ |
情念の濃い歌の多いイタリアならではの激しい失恋の歌です。シェーナとアリアということでオペラの一節のようなつくりになっており、最初の節はレシタティーヴォで息せききって語り、次の「彼女がこの大理石に」と始まる部分からゆったりとした思い出に浸る美しいカンタービレ、そしてその恋が破れた恨みごとを語る最後の節はテンポも速くなり、力強く盛り上がっていきます。あまり歌詞の内容を感じさせない明朗快活なメロディですが、陶酔的な美しさは際立っており、歌詞を気にせずに歌声だけ聴いているととても幸せな気持ちになれる曲です。
( 2011.09.24 藤井宏行 )