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Elfven och snigeln   Op.57-1  
  8 Laulut
川とカタツムリ  
     8つの歌

詩: ヨセフソン (Ernst Josephson,1851-1906) スウェーデン
    Svarta Rosor och Gula  Älven och snigeln

曲: シベリウス (Jan Sibelius,1865-1957) フィンランド   歌詞言語: スウェーデン語


Den breda elf genom skogens barm
Sitt blånande bälte drar.
Allt måste följa med makt och larm,
Som trotsat dess bölja har.

Allt hastar till vredgade segrarens fot,
Till skogens brusande elf,
Stock,sten och träd,och krypande rot,
Att smickra och spegla sig sjelf.

Men snigeln på mossiga stenen en gång
Fått fäste bland böljornas brus.
Den mäktige ryter,och gör förfång,
Och spottar jemt på hans hus.

Men snigeln håller sig stadigt fast,
Densamme i ebb och i flod,
Föraktad att yttre fägring den brast,
Men derför ej mindre god.

Så kom där en barfotad gosse glad
Att plocka musslor vid strand.
Han bröt dem sakta ur vågens bad,
Vår snigels hus deribland.

Men när han öppnade det han såg
En ren,en strålande glans.
I musslans sargade sköte låg
Den skönsta perla som fanns.

Snart blef så elfven till is försatt.
Ty vinter följde på höst;
Men perlam smyckade dag och natt
Den skönaste drottnings bröst.

森のふところを抜けて大きな川が
その青い帯を広げている
あらゆるものはその力と警告に従わねばならぬ
この波に挑みかかろうとするならば

みな急ぎ行く この怒れる勝利者の足元へ
森で咆哮する川のもとへと
丸木も 石も木も 張り巡らされた根も
へつらいながら自らを映しだそうとして

だがそのカタツムリだけは苔むした石の上に
ざわめく波間にしがみついていた
強大な力はうなり 害をなさんと
絶え間なく唾を吐きかけた カタツムリの殻の上に

だがカタツムリはしっかりと動かずにいた
水が満ちるときも引くときも変わりなく
外見の美しさを欠くゆえに蔑まれようと
それで良さが失われているわけではないのだ

そこへやってきたのは裸足の陽気な少年
岸辺に貝を採りにきたのだ
彼は波の床からゆっくりと貝をはがしていった
われらのカタツムリの家もその中にあった

だが彼がその家を開けたとき 彼は見たのだ
清らかで輝かしい光沢を
貝の傷付いた懐に抱かれていたのだ
いまだかつてない美しさを持った真珠が

すぐに川は氷に閉ざされた
冬が秋に続いてやってきたのだ
だが真珠は飾られ続けている 昼も夜も
美しき女王の胸元に

作品57の8曲からなる歌曲集は1909年の作曲。すべてエルンスト・ヨーセフソンの詩になるものです。この詩をご覧頂いてもお分かりのように、何やら教訓めいたものを織り込んだ何とも意味深長なものを書く詩人のようです。
第1曲目は激しく荒れ狂う川がピアノ伴奏に現れ、重々しく歌われて行きますが、カタツムリにクローズアップがあたるところでは静かになり、そして真珠の現れる部分では栄光に満ちてテンポがゆったりとなります。ある種バラード的な効果を狙った曲と言えるのかと思いますが、いまひとつお話の意味がつかみきれないところがあって私にはピンとこない曲でした。
「カタツムリ」と訳しましたが、川辺にいる大型の巻貝のことでしょう。

( 2011.09.18 藤井宏行 )


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