Vanne,o rosa fortunata Sei Ariette |
行け、幸運なバラよ 6つのアリエッタ |
Vanne,o rosa fortunata, a posar di Nice in petto ed ognun sarà costretto la tua sorte invidiar. Oh,se in te potessi anch'io transformarmi un sol momento; non avria più bel contento questo core a sospirar. Ma tu inchini dispettosa, bella rosa impallidita, la tua fronte scolorita dallo sdegno e dal dolor. Bella rosa,è destinata ad entrambi un'ugual sorte; là trovar dobbiam la morte, tu d'invidia ed io d'amor. |
行け、幸運なバラよ ニーチェの胸の中で安らぐのだ そうすれば誰もが思わずにはいられないだろう お前の運命が羨ましいと おお、私もまたできるのだったら同じように ほんの一瞬でもそうなれたら それ以上すばらしい喜びなど この心は望まなかっただろうに だがお前はむすっとしてうつむいている 美しき蒼白きバラよ お前の顔は蒼ざめているな 怒りと悲しみのために 美しきバラよ、運命は われら共に同じだ われらは死を見出すのだから お前は羨望のために 私は愛のために |
ベルリーニの6つのアリエッタ第2曲目、伸びやかなメロディがたいへんに美しい佳曲です。実らぬ恋を嘆いているようにも(あるいは彼女の胸に付けられているバラに嫉妬しているようにも)歌詞では思えますが、つけられたメロディは明るく幸せそうなもの。それほど悩んでいるようにも見えません。
理屈っぽく歌詞を読み取って考えたりしないで、ベルリーニの紡ぎ出すマジックにひたすら浸るというのがこの曲の正しい観賞の仕方のように私には思えます。
( 2011.08.17 藤井宏行 )