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Vom Tode Mariä II   Op.27-14  
  Marienleben
マリアの死について II  
     マリアの生涯

詩: リルケ (Rainer Maria Rilke,1875-1926) オーストリア
    Das Marien-Leben 14 Wer hat bedacht,daß bis zu ihrem Kommen

曲: ヒンデミット (Paul Hindemith,1895-1963) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Wer hat bedacht,daß bis zu ihrem Kommen
der viele Himmel unvollständig war?
Der Auferstandne hatte Platz genommen,
doch neben ihm,durch vierundzwanzig Jahr,
war leer der Sitz. Und sie begannen schon
sich an die reine Lücke zu gewöhnen,
die wie verheilt war,denn mit seinem schönen
Hinüberscheinen füllte sie der Sohn.

So ging auch sie,die in die Himmel trat,
nicht auf ihn zu,so sehr es sie verlangte;
dort war kein Platz,nur Er war dort und prangte
mit einer Strahlung,die ihr wehe tat.
Doch da sie jetzt,die rührende Gestalt,
sich zu den neuen Seligen gesellte
und unauffällig,licht zu licht,sich stellte,
da brach aus ihrem Sein ein Hinterhalt
von solchem Glanz,daß der von ihr erhellte
Engel geblendet aufschrie: Wer ist die?
Ein Staunend war. Dann sahn sie alle,wie
Gott-Vater oben unsern Herrn verhielt,
so daß,von milder Dämmerung umspielt,
die leere Stelle wie ein wenig Leid
sich zeigte,eine Spur von Einsamkeit,
wie etwas,was er noch ertrug,ein Rest
irdischer Zeit,ein trockenes Gebrest -.
Man sah nach ihr; sie schaute ängstlich hin,
weit vorgeneigt,als fühlte sie: ich bin
sein längster Schmerz -: und stürzte plötzlich vor.
Die Engel aber nahmen sie zu sich
und stützten sie und sangen seliglich
und trugen sie das letzte Stück empor.

だれが気がついていただろう 彼女の昇天までは
豊かな天界とても不完全なものであったのだと?
昇天されたイエスがその主座を占めてはおられたが
彼の横は 二十四年にもわたって
空席であったのだ そして天界の者たちはすでに
その清らかな空席に慣れ始めていたのだった
この癒えた傷口のような空席に なぜならその美しい
輝きで 御子がそこを満たしていたからだ

それゆえに彼女もまた 天国に足を踏み入れたとき
彼の方へとは向かわなかった そうしたいととても望んではいたのだが
そこには余地がなく ただ彼のみがそこにあって光輝いていたのだ
彼女が痛みを覚えるほどの輝きに
だが今や彼女は、その安らぎに満ちた姿で
新しき聖者の中に加わり
つつましやかに 光に光が 並び立ったのだ
そのとき彼女の存在よりほとばしり出た光線
かくも輝かしきもの それは彼女を照らし出した
天使たちは目をくらまされながら叫んだ 「彼女は何者なのか?」と
驚きがあった そしてすべての者は見たのだ
父なる神が高みより われらの主を止め給えるのを
そのために 穏やかな薄明りが揺らいで
空いた席が ほのかな痛みのように
現れた 孤独の痕跡であり
あるいは 彼がなおも耐えている名残であった
地上にあったときの 乾いた傷口
皆は彼女の方を見た 彼女は不安そうに見上げた
彼方を 身を傾けつつ まるで感じてでもいるように 私が
彼の最も長い苦しみなのだ と そして突然崩れ落ちた
しかし天使たちが彼女を抱き起こし
彼女を支えると 清らかに歌いながら
彼女を運んだのだ その最後の道のりを


マリアの死、第2曲は天界での出来事です。イエスがすでに24年前、天界の主座を占めていた中にあとからやってきたマリアとの微妙な関係を描き出します。重々しい伴奏に引き続き、暗く沈んだ歌が始まります。それは第8曲「カナの婚礼」でも描写されていた、御子を死の運命へと追いやることとなってしまった母の悲しみの再現なのでしょうか。深く沈んだままで曲は静かに閉じられます。

( 2011.08.13 藤井宏行 )


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