Dolente immagine di Fille mia Tre Ariette |
私のフィッレのやつれ果てた影よ 3つのアリエッタ |
Dolente immagine di Fille mia, perché sì squallida mi siedi accanto? Che più desideri? Dirotto pianto io sul tuo cenere versai finor. Temi che immemore de' sacri giuri io possa accendermi ad altra face? Ombra di Fillide,riposa in pace; è inestinguibile l'antico ardor. |
私のフィッレのやつれ果てた影よ どうしてそんなに蒼ざめて私のそばに座っているのだ? これ以上お前は何を求めるのか?限りない涙を 私はお前の亡骸に注いだではないか 疑っているのか あの尊い誓いを忘れて 私が別の炎に燃え上がることがあろうなどと? フィッリデの影よ、安らかに眠れ 昔の熱い想いを消し去ることなく |
ベルリーニの美しいメロディが魅力的な歌ですが、詩をよく見ると「恨めしや〜」の世界ですね。死んでしまってからの未練を背に現れ出でたる亡霊の姿。もっとも亡霊が見えるのは見える側の未練がそう見せていることが多いようで、ここでもそんな感じがひしひしと感じられます。
悲しいメロディはしかしながら第2連に来て表情が明るくなり、安らかに死んだ恋人の霊を慰めます。そして再び冒頭の悲しいメロディが戻ってきて静かに曲を閉じます。
この亡き恋人の名前はフィッリデというようですが、最初の行ではフィッレとなっています。恐らくこれは愛称なので、曲のタイトルでも対訳でもここの呼び掛けもフィッリデとされていることが多いですが、原詩がフィッレですので私はここはフィッレのままにしました。
( 2011.08.08 藤井宏行 )