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Lys Nat   Op.70-3  
  Fem Digte af Otto Benzon
白夜  
     オトー・ベンソンの詩による5つの歌曲

詩: ベンゾン (Carl Otto Valdemar Benzon,1856-1927) デンマーク
      Lys Nat

曲: グリーグ (Edvard Grieg,1843-1907) ノルウェー   歌詞言語: ノルウェー語


Var det ej nylig,Solen sank
Ned bag Skovene i det Fjerne,
Nylig først,at den blege Stjerne
Så sit Billed i Bølgen blank?

Er det alt Dagens Guld,som gryr?
Glider alt Solens Lavastrømme
Over de bjergebølgede Skyr?
Er det forbi med Nattens Drømme?

Neppe kommen drager du bort!
Lyse Nat,hvi er du så kort?

つい先程ではなかったろうか、太陽が沈んだのは
遠くの森の向こうに
ついさっき初めて、蒼ざめた星が
その姿を波の中にきらめかせたのでは?

あれは黄金の太陽、夜明けなのか?
陽光が溶岩のようにあふれ出してくるのか
山の向こうの雲を越えて?
夜の夢はすべて消え去ったのか?

やってきたかと思えば お前はすぐに行ってしまう
白夜よ お前はどうしてそんなに短いのか?


緯度の高い北欧では夏は白夜となり、真っ暗な夜というのがほとんど見られなくなります。そんな情景を美しく表現したベンソンの詩に、グリーグが曲を付けた北欧ならではの味わいの作品。グリーグ晩年のベンソンの詩による10曲の歌曲の中でも、一番当時の聴衆には愛された曲なのだそうです。山の稜線が赤く輝いているところなど本当に美しいのでしょうね。

( 2011.08.04 藤井宏行 )


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