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Mejerke,main Suhn   M.A 17  
 
メエルケ〜ヘブライの歌  
    

詩: 不詳 (Unknown,-) 
      

曲: ラヴェル (Maurice Ravel,1875-1937) フランス   歌詞言語: イーディッシュ語


Mejerke,main Suhn,
Mejerke,main Suhn,oi Mejerke,main Suhn,
Zi weiss tu,var wemen du steihst?
“Lifnei Melech Malchei hamlochim,” Tatunju.

Mejerke,main Suhn,
Mejerke,main Suhn,oi Mejerke,main Suhn,
Wos ze westu bai Ihm bet'n?
“Bonej,chajei,M'sunei,” Tatunju.

Mejerke,main Suhn,
Mejerke,main Suhn,oi Mejerke,main Suhn,
Oif wos darfs tu Bonei?
“Bonim eiskim batoiroh,” Tatunju.

Mejerke,main Suhn,
Mejerke,main Suhn,oi Mejerke,main Suhn,
Oif wos darfs tu chajei?
“Kol chai joiducho,” Tatunju.

Mejerke,main Suhn,
Mejerke,main Suhn,Oi Mejerke,main Suhn,
Oif wo darfs tu M'sunei?
“W'ochalto w'sowoto uweirachto”,Tatunju.
メエルケ、我が息子よ
メエルケ、我が息子よ、おお、メエルケ、我が息子よ
知っているのか、お前が誰の前に立っているのかを?
「王の中の王です」お父さん。

メエルケ、我が息子よ
メエルケ、我が息子よ、おお、メエルケ、我が息子よ
お前は彼から、何を求めるのか?
「子供達、長生き、そして日々のパンです」お父さん。

メエルケ、我が息子よ
メエルケ、我が息子よ、おお、メエルケ、我が息子よ
なぜ子供達を?
「ユダヤの聖書を教えるのです」お父さん。

メエルケ、我が息子よ
メエルケ、我が息子よ、おお、メエルケ、我が息子よ
なぜ長生きを求める?
「命の限り、神を称えることができるからです」お父さん。

メエルケ、我が息子よ
メエルケ、我が息子よ、おお、メエルケ、我が息子よ
なぜパンなのだ?
「お取りください。神の祝福がありますように」お父さん。


1910年、モスクワで、各国の民謡に基づいた歌曲に対するコンテストが行われた際、入賞7作品のうち4作品がこのラヴェルの作品であったそうです。「スペインの歌」「フランスの歌」「イタリアの歌」と多彩な選択ですが、もう一曲がこの「ヘブライの歌」で、これが一番聴いていてインパクトの大きい作品と言えましょう。ズンチャチャチャッチャと踊るような伴奏のピアノのリズムに乗って、謎めいた父と子の会話が繰り返されます。怪しさ満点のラヴェル歌曲にあってもひときわ耳を惹きつける逸品ではないかと思いますが、フランス歌曲とは言えないかも知れませんね。そう言えばこの歌、歌詞もドイツ語っぽい変わった言葉(イーディッシュ語?)なので声の響きもどこか違います。
グレイの貫禄、スゼーの迫力、ロス・アンヘレスの茶目っ気といったところが様々な解釈で面白く聴かせてくれます。

( 1999.11.18 藤井宏行 )


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