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Pan    
  Fem ballader
牧羊神  
     5つのバラード

詩: ベリマン (Bo Hjalmar Bergman,1869-1967) スウェーデン
      Pan

曲: ラングストレーム (Andreas Johan Ture Rangström,1884-1947) スウェーデン   歌詞言語: スウェーデン語


Middagsstillhet och klöverånga.
Ljuset flammar och smälter i ro
över åsarnas långa
kammar,där molnen bo.

Här i backen sitter Pan
lat,med nacken mot en gran.

När han börjar spela,
spela träden,susar säden,
lyssnar hela
jorden till hans kväden.

Livets stora hunger
stiger stark och god,
och mitt sommarblod
sjunger.

真昼の静寂とクローバーの香り
光はきらめきながら そして溶けて行く 平和のうちに
長い尾根の上
櫛のようになって 雲のかかっているところへと

この丘の上 牧羊神は座る
ぼんやりと頭を エゾマツにもたせ掛けながら

彼が演奏を始めると
木々はそよぎ 小麦畑はさざめく
耳傾けるのだ 
地上のものすべてが彼の詩に

命の巨大な渇きは
強く 激しく立ち昇る
そして私の夏の血潮もまた
歌うのだ


スウェーデンの歌曲作曲家としては、このラングストレムも決して見逃すことのできない存在です。メゾソプラノのフォン・オッターが故国の歌曲アルバムを作った時にCDに付けたタイトル「Wings in the night」というのが彼の作品名から来ていることからも彼の重要度が窺えますでしょう。
私は彼の歌曲の作風は「北欧のドビュッシー」と呼んで良いと思っています(いくつか民族色の強い例外もありますけれど)。
印象派の繊細な響きの中に夢見るような詩情が漂い、ドビュッシーの歌曲に惹かれる方は、まず間違いなくこのラングストレムの歌曲にもハマッてしまうことでしょう。
紹介した曲はドビュッシーの交響詩「牧神の午後の前奏曲」そのままの光景ですが、唯一違うのはベルイマンの詩が、最後に自分の情熱のたぎりを歌っていることで、曲の方も盛上がって終わります。ただそこに至るまでの幻想的な描写はまさに「牧神の午後」そのまま。ラングストレムの歌曲の美質を表した逸品といえましょう。
フォン・オッターが標記「Wings in the night」に入れた録音(DG)が決定版かも知れませんが、清楚な声という点で私はソプラノのヴェンベルイがパーソンズの伴奏で録音したEMI盤にも惹かれるところもあります。

( 2001.02.20 藤井宏行 )


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