Trost im Gesang Op.142-1 Vier Gesänge |
歌の中にある慰め 4つの歌 |
Der Wandrer,dem verschwunden So Sonn' als Mondenlicht, Der singt ein Lied ins Dunkel Und härmt sich länger nicht. Er schreitet mutig weiter Die menschenleere Bahn, Viel lichte Sangesbilder, Die ziehen ihm voran. Nacht ist's auch mir geworden, Die Freunde stehen fern, Von meinem Himmel schwindet Der allerletzte Stern; Doch geh' ich mutig weiter Die menschenleere Bahn, Noch ziehen Sangesbilder Ja mir auch licht voran. |
さすらいびとは、たとえ消え失せようと 太陽や月の光が 歌を暗闇の中で歌えば もはや悲しむことはない 彼は勇気もて更に進む ひと気のない道を たくさんの明るい歌の情景が 彼を前へと進ませる 夜が私にも訪れ 友人たちも彼方にある 私の空の上からも消え去った 最後のひとつの星が だが私は勇気もて更に進む ひと気のない道を なおも進ませるのだ 歌の情景が そう 私を 明るく前へと |
ケルナ―の詩による歌曲、こちらも作品35のために書かれたものでしょうか。1840年の作品です。こちらは作品35でいうと第3曲や第7曲のようなさすらいの旅の喜びを歌った歌です。歌曲集の方に残った2曲ほどの爆発力がなかったことが、同じスタイルの曲は3つはいらないという判断で作品35からはずされたひとつの理由のようにも思えますが、それを気にしなければこの曲もとても素晴らしい旅の歌です。
作品142は1840年、歌の年に書かれた曲で当時出版されなかったものを4曲集めて作曲者の晩年に出版されたもの。気力充実した歌の年の作品ばかりですからいずれも聴きごたえがあります。
( 2011.06.09 藤井宏行 )