TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Wie singt die Lerche schön   S.312  
 
なんとヒバリは美しく歌うのか  
    

詩: ホフマン・フォン・ファラースレーベン (August Heinrich Hoffmann von Fallersleben,1798-1874) ドイツ
    Lyrische Gedichte - Liebesleben  Wie singt die Lerche schön

曲: リスト (Franz Liszt,1811-1886) ハンガリー   歌詞言語: ドイツ語


Wie singt die Lerche schön
Im Tal und auf den Höh'n,
Wenn der Morgen graut,
Und die Blümlein
Frisch betaut,
Harren auf den Sonnenschein!

So sing,mein Herz,nun auch
Beim frischen Morgenhauch.
Hast du auch gewacht
Unter Gram und Pein
Diese Nacht --
Dein auch harrt ein Sonnenschein.

なんとヒバリは美しく歌うのか
谷底でも丘の上でも
夜明けがやってきて
そして花たちが
さわやかに露に濡れて
太陽の光が注ぐのを待っているときに

そんな風に歌えよ、わが心よ、今こそ
さわやかな朝のそよ風の中で
お前がずっと今まで目覚めていたのは
悲しみと痛みばかりの
あんな夜だったにしても
お前もまた太陽の光を待っているのだ


ヒバリの声の描写をするピアノのアルペジオが夢見るように美しい、リストの歌曲の中でも耽美的なことでは屈指の作品でしょう。すべてのものが甦りをみせる春の朝の訪れを見事に示しています。そっとささやくような声、音楽が終止形を取らずに消えゆくように終わるのは、これからやってくる生命力あふれる昼間への導入だからでしょうか。とても印象的な終わり方です。

( 2011.05.22 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ