Stille Liebe Op.35-8 Zwölf Gedichte von Justinus Kerner |
静かな愛 ケルナーの詩による12の歌曲 |
Könnt' ich dich in Liedern preisen, Säng' ich dir das längste Lied. Ja,ich würd' in allen Weisen Dich zu singen nimmer müd'! Doch was immer mich betrübte, Ist,daß ich nur immer stumm Tragen kann dich,Herzgeliebte, In des Busens Heiligtum. Dieser Schmerz hat mich bezwungen, Daß ich sang dies kleine Lied, Doch von bitterm Leid durchdrungen, Daß noch keins auf dich geriet. |
もしぼくが君を歌で讃えられるなら この上ない長い歌を歌うのに そうだ ぼくはあらゆる調べで 君を歌っても決して飽きはしないのだ なのにぼくをいつも悲しませるのは いつでも声が出せずに ただ君を抱くことしかできないことだ、恋人よ この胸の聖なる場所で この苦しみがぼくを突き動かして ぼくはこのささやかな歌を歌ったのだ だけど苦い痛みに満ちているから 君に届くことはないだろう |
やるせない恋の想いを切々と訴えています。音楽は静かですが心に秘めた熱情はなかなかのものがあり、決して諦めの境地で歌っているのではないことがよく分かります。「胸に抱く」とはいっても、ここでは想像の世界でのことでしょうか。でも美しい欲情のあり方のように聴いていて思いました。
( 2011.05.08 藤井宏行 )