TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Wanderung   Op.35-7  
  Zwölf Gedichte von Justinus Kerner
さすらい  
     ケルナーの詩による12の歌曲

詩: ケルナー,ユスティヌス (Justinus Kerner,1786-1862) ドイツ
    Die lyrischen Gedichte  Wanderung

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Wohlauf und frisch gewandert ins unbekannte Land!
Zerrissen,ach zerrissen,ist manches teure Band.
Ihr heimatlichen Kreuze,wo ich oft betend lag,
Ihr Bäume,ach,ihr Hügel,oh blickt mir segnend nach.

Noch schläft die weite Erde,kein Vogel weckt den Hain,
Doch bin ich nicht verlassen,doch bin ich nicht allein,
Denn,ach,auf meinem Herzen trag' ich ihr teures Band,
Ich fühl's,und Erd und Himmel sind innig mir verwandt.

さあ 元気に見知らぬ土地へと向かって行こう!
断ち切られた、ああ断ち切られたのだ 多くの尊い絆は
私がよく跪き祈っていた故郷の十字架よ
木々よ、ああ丘よ、おお私を祝福と共に見送ってくれ

広い大地はまだ眠ったままで、林を目覚めさせる鳥もいない
だけどぼくは見捨てられてはいない、だけどぼくはひとりではない
なぜならああ!ぼくは心の中にお前たちとの大切な絆があるからだ
ぼくは感じる、大地も空もぼくと結ばれているのだと


角笛の響きを模したピアノの伴奏に乗せて、爽やかな歌が歌われます。同じさすらいを題材とした第3曲目に比べるとずっと穏やかな曲想ですが、浮き立つような気持ちは伝わってきます。3曲目は絆を断ち切ってひたすら進むのに対し、こちらはそれを残しながら旅をする分、心穏やかな気持ちになっているのでしょうか。

( 2011.05.06 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ