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Ladslove    
  The Land of Lost Content
若者の恋  
     失われた満足の地

詩: ハウスマン (Alfred Edward Housman,1859-1936) イングランド
    A Shropshire Lad 15 Look not in my eyes

曲: アイアランド (John Ireland,1879-1962) イギリス   歌詞言語: 英語


Look not in my eyes,for fear
They mirror true the sight I see,
And there you find your face too clear
And love it and be lost like me.
One the long nights through must lie
Spent in star-defeated sighs,
But why should you as well as I
Perish? Gaze not in my eyes.

A Grecian lad,as I hear tell,
One that many loved in vain,
Looked into a forest well
And never looked away again.
There,when the turf in springtime flowers,
With downward eye and gazes sad,
Stands amid the glancing showers
A jonquil,not a Grecian lad.

ぼくの目を覗き込まないで、決して
ぼくの見ている真実が映っているこの目を
この瞳にきれいに映っているきみ自身の顔を見たら
そいつに自分が恋をして ぼくのように我をなくしてしまうよ
長い夜に身を横たえ
ため息ばかりついているようになる
どうしてきみまでが ぼくみたいに
破滅を選ぶんだ? ぼくの目をみないで

あるギリシャの若者 有名な話だ
多くの娘たちがかなわぬ恋におちたという若者は
森の泉をのぞきこんだら
二度と目がそらせなくなった
ほら、春の花が芝生に咲き乱れるときに
うつむきがちの目で悲しげに見つめ
にわか雨の中に立ってるのは
黄水仙、もうギリシャの若者ではないんだ


これはバターワースの有名な歌曲集「シュロップシャーの若者」でも取り上げられていました(第2曲“Look not in my eyes”)。ギリシャの神話、自分の美しさに見とれて動けなくなり、そのまま水仙へと身を変えたナルシスの話を下敷にした非常にナルシスティックな詩ですが、この曲はバターワースのものよりもアイアランドの曲の方が濃密で、詩の耽美な感じによく合っているかも知れません。ハウスマンの詩集では15番目の詩です。

( 2011.04.30 藤井宏行 )


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