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Erstes Grün   Op.35-4  
  Zwölf Gedichte von Justinus Kerner
はじめての緑  
     ケルナーの詩による12の歌曲

詩: ケルナー,ユスティヌス (Justinus Kerner,1786-1862) ドイツ
    Die lyrischen Gedichte  Frühlingskur

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Du junges Grün,du frisches Gras!
Wie manches Herz durch dich genas,
das von des Winters Schnee erkrankt
o wie mein Herz nach dir verlangt!

Schon wächst du aus der Erde Nacht,
wie dir mein Aug’ entgegenlacht!
Hier in des Waldes stillem Grund
drück ich dich,Grün,an Herz und Mund.

Wie treibt’s mich von den Menschen fort!
Mein Leid das hebt kein Menschenwort,
nur junges Grün,ans Herz gelegt
macht,dass mein Herze stiller schlägt

若々しい緑よ、爽やかな草よ!
どれだけ多くの心がお前によって癒されたことか
冬の雪によって病気になった心が
おお どれほど私の心はお前を求めてきたことか!

今やお前は大地の暗がりの中より育ってきたのだ
どれほどに私の目はお前に向けて微笑みかけていることか
この森の静かな地面の上で
私はお前に押し当てるのだ、緑よ、胸をそして口を

どれだけ私は人々から離れていたいと願っていることか
私の苦しみはどんな言葉でも癒せはしないが
ただ この胸に当てた若い緑だけが
私の心を静めてくれるのだ


春がやってきた弾ける喜びを歌うのかと思いきや、何ともつらく悲しい想いを嘆く歌です。若々しい緑が暗い冬を打ち破って美しく萌え出てきているだけに、一層悲しみがつのってくる感じですね。
作品35の12の歌曲の中でも最も良く知られ、単独でもよく取り上げられる作品です。ちょっと感傷的に過ぎる感もありますが、美しい曲です。

( 2011.04.23 藤井宏行 )


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