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Urlicht    
  Symphony no. 2
はじめての灯り  
     交響曲第2番

詩: 少年の不思議な角笛 (Des Knaben Wunderhorn,-) ドイツ
    Des Knaben Wunderhorn,Band 2 8 Urlicht

曲: マーラー,グスタフ (Gustav Mahler,1860-1911) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


O Röschen rot!

Der Mensch liegt in größter Not!
Der Mensch liegt in größter Pein!
Je lieber möcht' ich im Himmel sein,
je lieber möcht' ich im Himmel sein!

Da kam ich auf einen breiten Weg;
Da kam ein Engelein und wollt’ mich abweisen.
Ach nein,ich ließ mich nicht abweisen,
ach nein,ich ließ mich nicht abweisen!
Ich bin von Gott,und will wieder zu Gott!
Der liebe Gott,der liebe Gott
wird mir ein Lichtchen geben,
wird leuchten mir bis in das ewig selig' Leben!

おお赤いバラよ!

人は大いなる苦難の中にある!
人は大いなる苦痛の中にある!
それなら私は願う むしろ天国にいたいものだ
それなら私は願う むしろ天国にいたいものだと!

そこで私は広い道を進んで行った
すると天使が現われ、私を追い返そうとした
ああ、やめてくれ! 私は自分を追い返させはしない
ああ、やめてくれ! 私は自分を追い返させはしない!
私は神のもとから来て、神のもとへ帰るのだ!
親愛なる神は 親愛なる神は
私に小さな灯りを下さるだろう
それは私を照らしてくれるのだ 永遠の至福の生へと至るまで!


2曲目の交響曲にしてマーラーは声楽を導入します。ここまでに歌曲をたくさん書いてきた蓄積でしょうか。そして最初に登場する第4楽章のこの歌は歌曲集「少年の不思議な角笛」の中にもあるこの曲です。タイトルのUrlichtは「原光」や「始源の光」などと難しく邦訳されていますが、これは詩の中にもある神様が下さった灯かりのことでしょうから、私は素直に「初めての灯かり」としてみました。ちなみに角笛にある原詩のタイトルもUrlichtです。
敬虔なコラールのブラスに乗せて歌われる冒頭、前奏なく歌がいきなり入ってきます。中間部の天使に追い返されそうになる部分の切実な訴えのところはテンポが速くなって少々ユーモラスな味わいも出ますが、最後は再び敬虔な音楽が戻ってきて神を讃えて静かに終わります。(2011.03.28)

歌曲集の訳詞改訂に合わせてこちらも改訂しました。

( 2012.08.31 藤井宏行 )


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