Die Sennin Op.90-4 Sechs Gedichte und Requiem |
牛飼いの娘 6つの詩とレクイエム |
Schöne Sennin,noch einmal Singe deinen Ruf ins Tal, Daß die frohe Felsensprache Deinem hellen Ruf erwache! Horch,o Sennin,wie dein Sang In die Brust den Bergen drang, Wie dein Wort die Felsenseelen Freudig fort und fort erzählen! Aber einst,wie alles flieht, Scheidest du mit deinem Lied, Wenn dich Liebe fortbewogen, Oder dich der Tod entzogen. Und verlassen werden stehn, Traurig stumm herübersehn Dort die grauen Felsenzinnen Und auf deine Lieder sinnen. |
美しい牛飼いの娘よ 今一度 谷間に向かってお前の声で歌いかけよ 楽しそうな岩のお喋りが お前の明るい歌声で始まるのだ 聞け、おお牛飼いの娘よ、どれほどお前の歌声が 山々のふところへと届いているかを どれほどお前の言葉を 岩山の魂が 悦ばしげに次々と伝えているかを だがいつか すべてが過ぎ行き お前もその歌とお別れするのだろう 恋人がお前を連れ出していくときか あるいは死神がお前を攫ってゆくときには そして捨てられて立ち尽くす 悲しげに押し黙って そこには灰色の岩山が お前の歌を思いながら |
山のこだまが響き渡っているようなおおらかで素朴なメロディですが、歌われているのは無常感でしょうか。決して暗いメロディではないのですがどこか寂しさが感じられます。もちろん岩のおしゃべりというのは娘の歌う歌声のこだまでしょう。彼女がいなくなればこだまの源がないわけですから岩たちも沈黙するしかありません。美しいメロディにあふれているこの歌曲集の中でも一段と印象に残る歌です。
( 2011.02.19 藤井宏行 )