TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Requiem   Op.90-7  
  Sechs Gedichte und Requiem
レクイエム  
     6つの詩とレクイエム

詩: ドレーヴェス (Leberecht Blücher Dreves,1816-1870) ドイツ
    Lieder der Kirche -- deutsche Nachbildungen altlateinischer Originale  

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ruh von schmerzensreichen Mühen
Aus und heissem Liebesglühen;
Der nach seligem Verein
Trug Verlangen,
Ist gegangen
Zu des Heilands Wohnung ein.

Dem Gerechten leuchten helle
Sterne in des Grabes Zelle,
Ihm,der selbst als Stern der Nacht
Wird erscheinen,
Wenn er seinen
Herrn erschaut in Himmelspracht.

Seid Fürsprecher,heilge Seelen!
Heilger Geist,lass Trost nicht fehlen.
Hörst du? Jubelsang erklingt,
Feiertöne,
Darein die schöne
Engelsharfe singt.

Ruh von schmerzensreichen Mühen
Aus und heissem Liebesglühen;
Der nach seligem Verein
Trug Verlangen,
Ist gegangen
Zu des Heilands Wohnung ein.

痛みに満ち溢れた苦役より安らぎ
熱く燃える愛の炎からも安らぎたまえ
聖なる交感を
望み続けし者は
今やみまかりて
救い主の家にある

正しき者には明るく輝けり
星たちがその墓の上で
その者は、自ら夜の星となりて
現れ出でるであろう
その者が
主を天の栄光の中に見出だししときに

その先駆けとなれ、聖なる魂たちよ
聖なる精霊よ、慰めを失いたもうな
汝は聞こえるか?喜びの歌の響きを
祝福の音楽を
美しき
天使たちのハープが歌うを

痛みに満ち溢れた苦役より安らぎ
熱く燃える愛の炎からも安らぎたまえ
聖なる交感を
望み続けし者は
今やみまかりて
救い主の家にある


シューマン後期の傑作歌曲集のひとつ、ニコラウス・レーナウの詩につけた6つの歌曲のあとには、なぜかレーナウの詩ではなく、古いカトリックの聖歌から取られた死者のためのミサ曲(といいつつもラテン語の典礼ではありませんので民間伝承といったたぐいではありますが)が添えられています。この歌曲集の作曲は1850年8月の初めであったのですが、くしくもこの月の終わりの8月の22日にまさにこの詩人レーナウが49歳の若さで死去し、この曲が追悼のようになったのでした。すでに精神の病でこの詩人は廃人同様であったのだそうで、シューマンがこの曲を書く時にはもう亡くなっているものと思い違いをしていたか、あるいは亡くなっていると誤った情報が伝わったかのいずれかではないかと思われます。

( 2011.02.09 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ