TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Zum Schluß   Op.25-26  
  Myrten
終わりに  
     ミルテの花

詩: リュッケルト (Friedrich Rückert,1788-1866) ドイツ
    Lyrische Gedichte - 3. Drittes Buch. Liebesfrühling  Hier in diesen erdbeklomm'nen

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Hier in diesen erdbeklommnen
Lüften,wo die Wehmut taut,
Hab ich dir den unvollkommnen
Kranz geflochten,Schwester,Braut!

Wenn uns,droben aufgenommen,
Gottes Sonn’ entgegenschaut,
Wird die Liebe den vollkommnen
Kranz uns flechten,Schwester,Braut!

この世で この大地が病んでいるような
風の中、悲しみが露のように消え去ってゆくところで
私はお前のために 不格好な
花輪を編んだのだ、恋人よ、花嫁よ!

私たちが、天に、召されるときに
そして神の御子のお目にとまるときに
愛がきっと完璧な
花輪を編んでくれるのだから、恋人よ、花嫁よ!


歌曲集「ミルテ」は最初と最後の曲、そしてほぼ真ん中で重要な位置を占める2曲の花嫁の歌と、リュッケルトの手になる詩がとても印象的な使われ方をしています。この終曲は音楽としてはおとなしくてあまり強い印象を与えないのですが、詩としてはまさにこのミルテによって花輪を編んだことを語っており、まさに最後を締めるにふさわしい選択なのですね。

( 2011.02.06 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ