TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Ist der Himmel darum im Lenz so blau?   Op.2-2  
  Sieben Lieder
だから春の空はそんなに青いの?  
     7つの歌曲

詩: レアンダー (Richard Leander,1830-1889) ドイツ
      

曲: プフィッツナー (Hans Pfitzner,1869-1949) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Ist der Himmel darum im Lenz so blau,
Weil er über die blumige Erde schaut,
Oder ist die Erde so blumig im Lenz,
Weil darüber der [sonnigen]1 Himmel blaut?

Hab' ich dich darum,mein Kind,so lieb,
Weil du gar so lieblich und reizend bist,
Oder bist du darum so reizend,mein Kind,
Weil die Lieb' dir ins Herz kommen ist?

春に空がそんなに青くなるのは
花咲く大地を見下ろしているから?
春に大地が花で一杯になるのは
明るい空が青く輝いているから?

僕があなたをそんなに好きなのは
あなたがとても可愛らしくて魅力的だから?
それともあなたがそんなに魅力的なのは
あなたが心の中に愛を育んでいるから?


ルチア・ポップの歌う「ユーゲント・シュティール時代の歌曲集」の中、ベルクやR・シュトラウス初期の歌曲に混じって収録されているプフィッツナーの歌曲5曲は、このあまり派手とはいえないドイツの作曲家のしみじみとした美質を余すところなく表しているのではないでしょうか。私も他に聴いたわけではないので断言できませんけれども、印象としてはシューマンのリートを思いっ切り耽美的にしたような感じといったらよいでしょうか。
これがもっとトロトロに溶けるとベルクやシェーンベルクになるのだなあという一歩手前で留まってはいますが。それがこの作曲家をあまりメジャーにしない理由なのかも知れません。
ご紹介した曲はR・シュトラウスの「献呈」をシューマンの「詩人の恋」の雰囲気で味を付けたような曲で、とても印象的なメロディです。詩が疑問形で終わるせいか、最初の?の方で大きく盛上がって、2つ目の?では音楽は完結せずに終わってしまうという面白い形をとっています。

( 1999.05.18 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ