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サッちゃん    
 
 
    

詩: 阪田寛夫 (Sakata Hiroo,1925-2005) 日本
      

曲: 大中恩 (Oonaka Megumi,1924-2018) 日本   歌詞言語: 日本語


詩:著作権のため掲載できません。ご了承ください


日本の歌曲の研究・再現にこだわりを見せてくれて、興味深いアルバムを次々リリースしてくれる藍川由美さんですが、日本の童謡を集めて入れている一枚はとりわけ見逃せません。
よく知っているつもりの歌がどれも実に新鮮に響き、こんなにいい歌だったのかと認識を新たにさせられることが度々で私のところでは家族全員で堪能させてもらいました。中でも私が凄い!と感じたのは、寒々とした寂寥感が美しい「月の砂漠」と、そしてこの「サッちゃん」です。
ピアノがぽつりぽつりと印象派風の和音を弾く前奏に続いて歌がとつとつと歌い出す出だしから、まるでドビュッシーかモンポウの歌曲を聴いているような繊細さ。ちょっとアンニュイな感じが堪えられません(幼い恋のときめきか?)。変に子供っぽさを強調したりせず正攻法でいくとこの曲ってこんなに素晴らしいのかと目から鱗が落ちる思いでした。
作曲者の大中恩さんは、日本語のリズムやイントネーションにとてもこだわる人なので、詞とメロディーのなじみのよさも万全です。次はこの人の作品集を探してみたくなりました。

( 1998.07.09 藤井宏行 )


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