Der Himmel hat eine Träne geweint Op.37-1 Liebesfrühling |
天は一粒の涙を流した 愛の春 |
Der Himmel hat eine Träne geweint, Die hat sich ins Meer verlieren gemeint. Die Muschel kam und schloß sie ein: Du sollst nun meine Perle sein. Du sollst nicht vor den Wogen zagen, Ich will hindurch dich ruhig tragen. O du mein Schmerz,du meine Lust, Du Himmelsträn' in meiner Brust! Gib,Himmel,daß ich in reinem Gemüte Den reinsten deiner Tropfen hüte. |
天は一粒の涙を流した 涙は自分は海の中に消えてしまうと思ったが 貝がやってきて 涙を抱きとった お前は今から わたしの真珠となるのです お前はもう 大波を恐れることはない わたしが安らかにお前を抱いてあげよう おお我が苦しみよ、おお我が喜びよ 我が胸の中にある天の涙のしずく! 願うのだ、天よ、私が清らかな心で もっとも清らかな御身の一粒をお守りできることを |
シューマンの妻となったクララもピアニストとしてだけではなく、作曲家としての活躍が音楽史に残っています。ピアノの独奏曲や歌曲がほとんどですが、その歌曲の中でもとりわけ興味深いのがロベルトとの結婚の1840年に書かれたリュッケルトの詩集「愛の春」による4つの歌曲。ロベルトの勧めで書いたもののようですが、彼は彼女の書いたものに加えて同じ詩集より自分の書いた歌曲も加えてふたりの共作としての歌曲集を編むことを企画します。残念ながら結婚の年には間に合わず、翌年1841年の完成となりましたが、ロベルトの9曲と、クララの書いた4曲から彼が選んだ3曲を合わせた12曲からなる大きな歌曲集が生み出されました。
第1曲目はロベルトの作品。ロマンティックなリュッケルトの詩に愛らしいメロディがついて、この歌曲集の中でも非常によく取り上げられる曲です。
これに続く第2曲は、クララの作品ですので、クララ・シューマンのページにアップ致しました。彼女の作品12の1曲目がそれにあたります。
( 2011.01.01 藤井宏行 )