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雪のお山で    
 
 
    

詩: 相馬御風 (Souma Gyofuu,1883-1950) 日本
      

曲: 中山晋平 (Nakayama Shinpei,1887-1952) 日本   歌詞言語: 日本語


雪のお山で
リヤーンとリヤン
ジャンプにテレマク
リヤーンとリヤン
クリスチャニヤで
リヤーンとリヤンリヤン
走って転んでコーロコロ
ちょいと休めば
リヤーンとリヤン
松の蔭から
リヤーンとリヤン
佐渡ヶ島まで
リヤーンとリヤン
ぎーらぎらぎら
ぎーらぎら
光輝く銀世界...



新春日本歌曲特集を締めるにあたり、ぜひ第2弾はこの人でと思ったのが中山晋平です。
前回の特集でも晋平作品にはかなり異色の曲(恋の鳥)を持ってきましたので、今回も藍川由美さんの丁寧に歌う中山晋平歌曲集や(前回ご紹介した白秋&晋平コンビの「カルメン」から「酒場の歌」「煙草のめのめ」の2曲が聴けますが)、あるいは往年の大テノール・藤原義江さんの歌う歴史的歌唱「波浮の港」や「鉾をおさめて」のインパクトに敬意を表しながらも、もっと私ならではの秘曲を探して見たいということで、そういえば中山晋平にはスキー発祥の地、上越高田にゆかりのスキー音頭というのがあったなあと思い当たった次第...

ネットで探してみましたら同じ上越が舞台ではありますがさらに強烈な歌を見つけましたので、全くといって良い程「クラシック系」ではありませんがご紹介します。
この歌、大正15年に上越市(当時は高田)でスキーの宣伝普及を目的に、公募の詩を相馬御風が補作したものに晋平が曲を付けたもののようです。
スキーをされる方なら思わず笑ってしまうしまないようなスキー用語を散りばめながら曲は全くの純民謡、昭和の初めにはスキーの普及が目的で、高田の町の芸者衆がお座敷で歌ったものなのだそうで、中山晋平の数多い新民謡(有名なものは「東京音頭」とか「天竜下れば」など)の中でも指折りの異色作品といえましょう。
こんな曲ですが、なんとCDになっていて音が聴けるのですね。上越市のCDショップ・多田金の自主制作盤に、スキー音頭他と共に収録されています。
http://w1.avis.ne.jp/~tadakin/down2.html(一部試聴可)
この曲ゆかりの高田芸者連の歌です。
笛の伴奏(オブリガート)が鄙びた味をよく出していてなんとも渋い味わいです。
この多田金・他にも日本の旅芸人の元祖ともいえる瞽女(ごぜ)の歌なども出していて、日本の伝統音楽に関心のある方には要注目です。日本のクラシック歌曲のCDも入手し難いものは多いですが、日本の伝統音楽に至っては一部のポピュラーなものを除いては聴けることは非常に少ないでしょうから。

( 2003.01.17 藤井宏行 )


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