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ばらの木    
 
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
      ばらの木

曲: 信時潔 (Nobutoki Kiyoshi,1887-1965) 日本   歌詞言語: 日本語


薔薇の木に
薔薇の花さく
なにごとの不思議なけれど



初めてこの曲を聴いた時には「なんじゃこりゃ?」と思いました。
前奏もなくいきなりモーツアルトばりのシンプルな旋律で「ばらの木に」と歌い出し、「花さく」のあとのピアノ間奏がチョロンと終わると、まるで浪曲のように「なにごとの不思議なけれど」と重い声で歌われ、そして再び「ばらの木に」と冒頭のモーツアルト風が戻ってきてアッという間に終わってしまいます。
一度聴いただけで忘れられないメロディが耳にこびりつき、なんとも言えない味わいを残してくれる不思議な曲です。
ギャグのようでもありますが、同時に意味深長な(大体詩がこの上もなく哲学的なのですから)ところもある音楽的俳句とでも名付けたくなる歌です。
米良美一氏のカウンターテナーで聴くと、本当に意味深長な音楽に聞こえてきませんか(King)

( 2000.01.09 藤井宏行 )


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