Der Spielmann Op.40-4 Fünf Lieder |
ヴァイオリン弾き 5つの歌曲 |
Im Städtchen gibt es des Jubels viel, Da halten sie Hochzeit mit Tanz und mit Spiel, Dem Fröhlichen blinket der Wein so rot, Die Braut nur gleicht dem getünchten Tod. Ja tot für den,den nicht sie vergißt, Der doch beim Fest nicht Bräutigam ist; Da steht er inmitten der Gäste im Krug, Und streichet die Geige lustig genug! Er streichet die Geige,sein Haar ergraut, Es schwingen die Saiten gellend und laut, Er drückt sie ans Herz und achtet es nicht, Ob auch sie in tausend Stücke zerbricht. Es ist gar grausig,wenn einer so stirbt, Wenn jung sein Herz um Freude noch wirbt; Ich mag und will nicht länger es sehn! Das möchte den Kopf mir schwindelnd verdrehn. - Wer heißt euch mit Fingern zeigen auf mich? O Gott - bewahr uns gnädiglich, Daß Keinen der Wahnsinn übermannt; Bin selber ein armer Musikant. |
小さな町は喜びに満ち溢れている ここでダンスや余興で一杯の婚礼が行われるのだ 花婿はといえばワインで顔を真っ赤にしてる ただ花嫁だけが蒼ざめた死人のようだ そう 死人なのだ、彼女を忘れられない男にとっては 彼はこの祝宴で花婿にはなれなかったのだから 彼はこの酒場で招待客の間に立ち ヴァイオリンをそれでも陽気に弾いている 彼はヴァイオリンを弾いている、彼の髪は真っ白だ 弦は甲高く やかましく震えている 彼は楽器を胸に強く押し当てている まるで気にする様子もない ヴァイオリンが粉々に砕け散ってしまうかも知れないなどとは こいつは全く恐ろしいことだ、人がこうやって死んでいくなどとは 若い彼の心が喜びを表すこともなく これ以上こんなことは見ない、見たくない ぼくの頭をぐちゃぐちゃに混乱させるから だれがお前たちに言ったのだ ぼくを指差せと おお神よ われらを暖かく見守りたまえ 狂気が誰も襲ったりしないように ぼくこそがこの哀れな楽師なのだ |
曲の雰囲気は「詩人の恋」の第9曲、恋する人が別の男と結婚してしまうまさにその婚礼の場を描き出しているシーンです。婚礼の音楽は賑やかに響きますが、恋をなくした男にとっては悲劇的な音楽にしか聞こえないのでしょう。いずれの曲も切々と悲しく響きます。ましてこのアンデルセンの描きだしたシーンではその音楽を紡ぎ出しているのは彼自身。あまりの重たさに押しつぶされんばかりです。
( 2010.12.23 藤井宏行 )