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Blondels Lied   Op.53-1  
  Romanzen und Balladen III
ブロンデルの歌  
     ロマンスとバラード第3集

詩: ザイドル (Johann Gabriel Seidl,1804-1875) オーストリア
      

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Spähend nach dem Eisengitter
Bei des Mondes hellem Schein,
Steht ein Minst'rel mit der Zither
Vor dem Schlosse Dürrenstein,
Stimmt sein Spiel zu sanfter Weise
Und beginnt sein Lied dazu,
Denn ein Ahnen sagt ihm leise:
“Suche treu,so findest du!”

König Richard,Held von Osten,
Sankst du wirklich schon hinab?
Muß dein Schwert im Meere rosten,
Oder deckt dich fern ein Grab?
Suchend dich auf allen Wegen,
Wallt dein Minst'rel ohne Ruh',
Denn ihm sagt ein leises Regen:
“Suche treu,so findest du!”

Hoffe,Richard,und vertraue,
Treue lenk und leitet mich.
Und im fernen Heimatgaue
Betet Liebe still für dich.
Blondel folget deinen Bahnen,
Margot winkt dir sehnend zu,
Deinem Minst'rel sagt ein Ahnen:
“Suche treu,so findest du!”

Horch,da tönt es leise,leise
Aus dem Burgverließ empor,
Eine wohlbekannte Weise
Klingt an Blondels lauschend Ohr.
Wie ein Freundesruf,ein trauter,
Schallt sein eigen Lied ihm zu,
Und sein Ahnen sagt ihm lauter:
“Suche treu,so findest du!”

Was er sang,das singt er wieder,
Wieder tönt es ihm zurück,
Süßes Echo klingt hernieder,
Keine Täuschung,sichres Glück!
Den er sucht auf seinen Bahnen,
Ach,sein König ruft ihm zu,
Nicht vergebens war sein Ahnen:
“Suche treu,so findest du!”

Heimwärts fliegt er mit der Kunde,
Da war Leid und Freude groß,
Fliegt zurück mit edler Runde,
Kauft den teuren König los.
Rings umstaunt vom frohen Kreise,
Stürzt der Held dem Sänger zu;
Gut bewährt hat sich die Weise:
“Suche treu,so findest du!”

鉄格子の方を窺いつつ
明るい月明かりのもと
ひとりの吟遊詩人がツィターを手に立つ
ディレンシュタイン城の前に
その楽器を見事な響きで鳴らし
それに合わせて歌を歌いだす
ある予感が静かに彼にささやいたのだ
「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」と

リヒャルト王、東方の勇士よ、
御身は本当に身を沈められたのか?
されば御身の剣は海の中で錆付いているであろう
それとも彼方の墓に眠っておられるか?
御身を探してあらゆる道を
この吟遊詩人はたどるのだ
静かなRegenが語りかけしゆえに
「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」と

望みたまえ、リヒャルト王よ、そして信じるのだ
誠の心がわれを導くことを
そしてはるかなる故郷の領地では
愛するお方がひそかに御身のことを祈りしことを
ブロンデルは御身の行きし小道をたどり
マロゴットは御身に想いを送る
御身に仕えし吟遊詩人に予感はこう語るのだ
「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」と

聴け、静かに 静かに響いてくる
山の牢屋より
よく聞き覚えたる歌が
このブロンデルの聞き澄ました耳に
親しい友の呼び声のように
彼の自作の歌が
そして予感は高らかに告げる
「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」と

かつて王が歌ったもの それを彼は再び歌い
再びその歌は吟遊詩人のもとに響く
心地よいこだまとなって
空耳ではない、確かなる幸運だ!
吟遊詩人が行く道に求めてきたものだ
ああ、王は彼に呼びかけている
彼の予感は無意味ではなかったのだ
「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」と

故郷へと彼はその知らせとともに飛んで帰る
そこでは悲しみと喜びが大きくなる中
高貴なる廷臣たちと共に急ぎ返し
身代金もで王を取り戻したのだ
喜びに沸く輪の中で
勇者は吟遊詩人へと歩み寄った
調べはかくして正しく予感ができていたことが示されたのだ
「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」と


バラードとしては非常に地味な作品です。まあ吟遊詩人を主人公にした時点で、幽閉されている王の救出に血沸き肉躍る大活劇は期待できないのは仕方ないのではありますが、それにしても身代金を払っての解放というのもまたなんとも地味な解決方法です。まあこれが史実通りということのようなのでそれはそれで変えようはないのではありますが。
この話に出てくる王は12世紀イングランドの獅子王と呼ばれたリチャードT世。十字軍遠征からの帰りに船が難破し、オーストリアで囚われの身となりましたが、確かに身代金をイングランドが支払ったことで解放されたと史実にあります。この吟遊詩人ブロンデルが実際にいたかどうか、いたにしてもこうして歌の調べて王を見つけ出したのかどうかについては伝説ということで本当のことだったのかはわかりませんでした。
地味とはいいながらも、この曲、いにしえに思いを馳せた典雅なたいへん美しいメロディで、しんみりと聴くにはなかなか良いです。とくに歌の最後のリフレイン「誠実に探せ、さすれば汝は見出さん」のところのつぶやきは感動的。地味は地味なりの盛り上がりを見せて聴きごたえは十分です。あまり歌われないのは非常にもったいない。ただ5分以上かかる長い歌ではありますが...
1840年秋(10月末)の作曲です。

( 2010.11.23 藤井宏行 )


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