Die Nonne Op.49-3 Romanzen und Balladen II |
修道女 ロマンスとバラード第2集 |
Im Garten steht die Nonne Bei Rosen in der Sonne, Die ihr ein Kränzlein flechten Zur Linken und zur Rechten. Herüber aus dem Saale Erklingt vom Hochzeitsmahle Das Tanzen und das Singen; Die Braut möcht jeder schwingen. Sie kühlet hold umfangen Am Fenster sich die Wangen; Die Nonne schaut herüber, Ihr gehn die Augen über: “Wie glüht im Rosenglanze Sie unterm weißen Kranze, Und unter roter Rose Erbleich ich Freudenlose. |
庭に立っていた かの修道女 そばにはバラの花 太陽を浴びている 彼女には小さな花輪が編まれている 右に 左にと 向こうの大広間からは 婚礼の宴が響いてくる ダンスと 歌と 花嫁をみな踊りに誘いたいのだ 優しい抱擁のほてりを冷やそうと花嫁が 窓辺にほほを寄せると 修道女はそちらを見つめて 目から涙をあふれさす 「バラの輝きをきらめかせているのですね 花嫁は白い冠の下で それなのに赤いバラに囲まれて 喜びもなく私は色あせてゆくのです」 |
まさに結婚式の真っ最中の花嫁と、結婚することを自ら捨てざるを得なかった修道女との対比が見事に描き出されています。花嫁の方は真っ白な衣裳に包まれて彼女自身がバラ色に輝いていますが、他方修道女の方は真っ赤なバラに囲まれ、孤独を噛みしめる、色彩の対比も鮮やかです。ふたりは離れたところから視線を合わせたのでしょうか。ドラマのワンシーンのような描写です。
( 2010.11.20 藤井宏行 )