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Śpiew z mogiłky   Op.74-17  
  17 Chant Polonais
墓場より歌える  
     17のポーランドの歌

詩: ポル (Wincenty Pol,1807-1872) ポーランド
      

曲: ショパン (Fryderyk Franciszek Chopin,1810-1849) ポーランド   歌詞言語: ポーランド語


Leci liście z drzewa,
Co wyrosło wolne!
Znad mogiły śpiewa
Jakieś ptaszę polne.

Nie było,nie było,
Polsko,dobrze tobie!
Wszystko,wszystko się prześniło,
A twe dzieci w grobie.

Popalone sioła,
Rozwalone miasta,
A w polu dokoła
Zawodzi niewiasta.

Wszyscy poszli z domu,
Wzięli z sobą kosy,
Robić nie ma komu,
W polu giną kłosy.

Kiedy pod Warszawą
Dziatwa się zbierała,
Zdało się,że z sławą
Wyjdzie Polska cała.

Bili zimę cała,
Bili się przez lato,
Lecz w jesieni zato
I dziatwy nie stało.

Skończyły się boje,
Ale pusta praca,
Bo w zagony swoje
Nikt z braci nie wraca.

Jednych ziemia gniecie,
A inni w niewoli,
A inni po świecie
Bez chaty i roli.

Ni pomocy z nieba,
Ani ludzkiej ręki,
Pusta leży gleba,
Darmo kwitną wdzięki.

Leci liście z drzewa,
Znów leci z drzewa,

O polska kraino,gdyby ci rodacy,
Co za ciebie giną wzięli się do pracy
I po garstce ziemi z ohczyzny zabrali,
Już by dłońmi swymi Polske usypali.

Lecz wybić się siłą
To dla nas już dziwy,
Bo zdrajców przybyło,
A lud zbyt poczciwy,

木より舞い散る落ち葉
かつて芽吹いた木より!
墓の上で歌うのは
一羽の野の鳥

行かなかったのだ、行かなかったのだ
ポーランドよ、うまくは!
すべては、すべては夢と消え
お前の子供たちは墓の中だ

焼かれた村
破壊された町
あたりの野には
女が嘆いている

男たちは家を出て行った
皆 大鎌を手に
だれも手をかけなくなり
枯れてしまった麦の穂

ワルシャワの地に
若者たちが集いしとき
われらには思えたのだ 栄光と共に
ポーランドはその全貌を現すかと

彼らはひと冬を戦い
夏中を戦い続けた
だが 次の秋には
わずかな者とても立てなかったのだ

戦いは終わった
だが結果はむなしい
敵の襲撃のために
兄弟たちは誰も戻ってこないのだ

ある者は土に埋められ
別の者は囚われの身となった
またある者はこの世界のどこにも
家や土地のない身となったのだ

天の助けはなく
人の助けもなかった
畑は荒れ果て
花の魅力も消えうせた.

木より舞い散る落ち葉
再び木より散る

おおポーランドの地よ もしもこの同胞たちが
お前のために死にゆくのでなく 
大地より一握りの土を
その手で掴み、ポーランドに積み上げて行ったのだったら

だが力で打ち倒されて
それはもはや叶わぬことだ
なぜなら裏切り者がやってきても
人々はあまりに正直だったのだから


ショパンの死後に発見され、歌曲集として編まれることとなった「17のポーランドの歌」の最後に配されたのはこの長大な歌でした。英語でも日本語でも、タイトルは詩の最初の行を取って「舞い落ちる木の葉」といったようなものになっていることがほとんどですが、詩人のつけたタイトルも、そして作曲者のつけたタイトルもこの陰鬱なものであるようです。詩をお読み頂ければお分かりのように、これは1830年11月のワルシャワ蜂起(11月革命)のことを歌っています。その年の11月末に士官学校の学生たちが支配者ロシアに対する反乱を企て、市民たちをも巻き込んでロシア軍との交戦につながっていきました。詩にも書かれている通り、大量に侵攻してくるロシア軍に対しひと冬の間彼らは良く戦いましたが、翌年の秋にはもはや戦闘の継続は不可能となります。恐らくこの詩はその秋、もしくはその次の秋に書かれたものではないでしょうか。かなり感情が昂ぶって書かれておりますから。
ショパンがメロディをつけたのはもう少しあとの1836年ですが、この革命で無念の死を遂げた人々へのレクイエムでしょうか。大変感動的なものに仕上がっています。冒頭の落ち葉の舞い散るところの寂しげな音楽は、途中勇壮なポロネーズとなり、未来への希望を高らかに歌います。最後はまた悲しみに満ちて消えゆくように終わってしまうのですが...
ショパンの音楽でこの11月革命に関わる傑作としてはピアノ曲で「革命のエチュード」があまりに有名ですが、この作品もぜひ多くの方に目を向けて頂ければと思います。

( 2010.11.20 藤井宏行 )


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