Herbstlied Op.43-2 Drei Duette |
秋の歌 3つの二重唱 |
Das Laub fällt von den Bäumen, Das zarte Sommerlaub. Das Leben mit seinen Träumen Zerfällt in Asch’ und Staub?ja,ja. Die Vöglein im Walde sangen, Wie schweigt der Wald jetzt still! Die Lieb’ ist fortgegangen, Kein Vöglein singen will?ja,ja. Die Liebe kehrt wohl wieder, Im lieben künft’gen Jahr, Und alles kehrt dann wieder, Was jetzt verklungen war. Du Winter,sei willkommen, Dein Kleid ist rein und neu, Er hat den Schmuck genommen, Den Schmuck bewahrt er treu. |
木の葉は木々より散る しなやかな夏の木の葉が あの夢のような生活は みな塵となって消え去った 小鳥たちは森で歌っていたのに 今 森は何と静かなことか! 愛も消え去り 小鳥たちも歌おうとはしない 愛はきっとまた戻ってくる 愛する者の未来にきっと そしてすべてのものも戻ってくる 今は消え去ってしまっているものも 冬よ、ようこそ お前の装いは清らかで新しい 冬は宝物を持っていってしまったが それを大切に守っておいてくれるのだ |
シューマンには意外に秋を歌った歌というのが多くないように思えます。憂いに満ちたこの季節は彼の音楽のある一面にはぴったりと思うのですが、意識的に避けてでもいるように秋を題材としたものが見当たらないのです。中ではこの歌は珍しくタイトルまで「秋」がついています。ただ季節の寂しさに浸るのも前半までで、後半は決然と未来への希望と、そしてこれからくる冬への感謝を力強く歌い、盛り上がって終わるところがただの秋の歌でないところ。そういう曲想にはデュエットというスタイルは良く合っているように思えます。
( 2010.11.12 藤井宏行 )