Der Hidalgo Op.30-3 Drei Gedichte nach Emanuel Geibel |
ヒダルゴ(スペインの伊達男) ガイベルによる3つの詩 |
Es ist so süß,zu scherzen Mit Liedern und mit Herzen Und mit den ernsten Streit. Erglänzt des Mondes Schimmer, Da treibt's mich fort vom Zimmer Durch Platz und Gassen weit; Da bin zur Lieb' ich immer Wie zum Gefecht bereit. Die Schönen von Sevilla Mit Fächern und Mantilla Blicken den Strom entlang; Sie lauschen mit Gefallen, Wenn meine Lieder schallen Zum Mandolinenklang. Und dunkle Rosen fallen Mir vom Balkon zum Dank. Ich trage,wenn ich singe, Die Zither und die Klinge Vom Toledan'schen Stahl. Ich sing' an manchem Gitter Und höhne manchen Ritter Mit keckem Lied zumal, Den Damen gilt die Zither, Die Klinge dem Rival. Auf denn zum Abenteuer, Schon losch der Sonne Feuer Jenseits der Berge aus. Der Mondnacht Dämmrungsstunden, Sie bringen Liebeskunden, Sie bringen blut'gen Strauß; Und Blumen oder Wunden Trag' morgen ich nach Haus. |
遊びまわるってのはえれぇ楽しいぜ 歌と一緒に 心の友たちと一緒に それから真面目なケンカなんかも一緒にな 月の光が輝けば そいつが俺を部屋から連れ出すのさ はるか遠くの広場や通りへと そこじゃ 俺はいつも恋に 喧嘩にと準備万端だ セヴィリヤの別嬪さんたちは 扇やマンティーリャを手に 川に沿って並んで眺めてる 彼女たちは楽しそうに耳をそばだてる 俺の歌が響く時には マンドリンの響きに乗せた歌が そして暗い色のバラを投げるのだ 俺にバルコニーから 感謝を込めて 俺は身につける、歌う時にゃ ツィターと剣を 剣はトレドの鉄製だ 俺は歌ってきた たくさんの窓辺で そして挑発してきた たくさんの騎士たちを 大胆な歌で何回も 女たちのためにはツィターがある 剣は恋敵のためにあるのさ では冒険と行こうか もう炎と燃えた太陽は沈んだ 遠くの山の向こうに 月夜の淡い光の時だ 愛の時になるのか 血にまみれた切り合いの時になるのか ともかく花か それとも傷のどっちかを 明日の朝は持って帰ることになるんだ |
ヒダルゴというのはスペインの郷士のことだそうで、さだめし遊び人の田舎貴族の若者といったところでしょうか。さすがドンファン伝説のふるさとスペインの遊び人。恋に喧嘩にと大活躍です。シューマンにはスペインを題材とした歌曲はかなりたくさんあるのですが、この爆発するファンタンゴのような濃密なスペイン情緒の描写はなかなかありません。思い切り威勢の良い音楽が繰り出されてきています。
( 2010.11.02 藤井宏行 )