Der Knabe mit dem Wunderhorn Op.30-1 Drei Gedichte nach Emanuel Geibel |
不思議な角笛を持つ少年 ガイベルによる3つの詩 |
Ich bin ein lust'ger Geselle, Wer könnt auf Erden fröhlicher sein! Mein Rößlein so helle,so helle, Das trägt mich mit Windesschnelle In's blühende Leben hinein! -- Trara! In's blühende Leben hinein. Es tönt an meinem Munde Ein silbernes Horn von süßem Schall, Es tönt wohl manche Stunde, Von Fels und Wald in der Runde Antwortet der Widerhall! -- Trara! Antwortet der Widerhall. Und komm ich zu festlichen Tänzen, Zu Scherz und Spiel im sonnigen Wald, Wo schmachtende Augen mir glänzen Und Blumen den Becher bekränzen, Da schwing ich vom Roß mich alsbald -- Trara! Da schwing ich vom Roß mich alsbald. Süß lockt die Gitarre zum Reigen, Ich küsse die Mädchen,ich trinke den Wein; Doch will hinter blühenden Zweigen Die purpurne Sonne sich neigen, Da muß geschieden sein -- Trara! Da muß geschieden sein. Es zieht mich hinaus in die Ferne; Ich gebe dem flüchtigen Rosse den Sporn. Ade! Wohl blieb ich noch gerne, Doch winken schon andre Sterne, Und grüssend vertönet das Horn -- Trara! Und grüssend vertönet das Horn. |
おいらは陽気な若者さ 誰がこの世でおいら以上に幸せ者になれるってんだ! おいらの馬もとても元気さ おいらを風のようなスピードで運んでく 花開く人生の中へと トララ 花開く人生の中へとな おいらの口のとこで鳴り響くのさ 銀の角笛は きれいな響きで 何時間もずっと鳴り続ければ 岩場や森から巡り巡って こだまが答えを返すのさ トララ こだまが答えを返すのさ それからおいらが 祭のダンスに出くわせば あるいは明るい森でのふざけ合いに出くわせば そこじゃ憧れの目がおいらを見つめる そして杯は花で飾られてる そこでおれは馬からさっと降りるのさ トララ そこでおれは馬からさっと降りるのさ ギターは優しく踊りへと誘い おいらは娘っこたちにキスをし、ワインを呑むんだ だけど花咲く枝の向こうに 真っ赤な太陽が沈んだならば その時にゃお別れしなくちゃなんないんだ トララ その時にゃお別れしなくちゃなんないんだ 遥か彼方へとおれは惹かれて おれは駿馬に拍車を当てる さらば! ここにもっと留まっていたいのだが もう別の星がおれを呼んでいる そして角笛はお別れのあいさつをしてる トララ そして角笛はお別れのあいさつをしてる |
このタイトルを見ると、ドイツ文学にお詳しい方なら誰でも、アルニムとブレンターノが編纂したドイツの民謡詩集「少年の不思議な角笛」を思い起こすのではないでしょうか。あちらにも不思議な角笛を持つ少年を描いた詩があり、それが詩集のタイトルとなったわけですが、このガイベルの書いた詩もそれをヒントに作られたもののように思われます。馬に乗ってやってくる屈託ない少年の姿が楽しげに描写され、トララの鼻歌もいなせに、生きの良い歌が繰り広げられてゆきます。
作品30はガイベルの詩による、三種三様の男の生きざま(というには大げさかも知れませんが)を描写したとても楽しい歌三曲です。1840年の8月に書かれたと言いますからまさにクララとの結婚を目前とした心の昂ぶりの中で作曲されたものということになるでしょうか。とても魅力的な歌曲集となっています。
( 2010.11.02 藤井宏行 )