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Sirkan häämatka   Op.15-2  
  Nuorten lauluja II
野雀の新婚旅行  
     若さの歌 U

詩: レイノ (Eino Leino,1878-1926) フィンランド
    Yökehrääjä - Hämärissä  Mikä on laulu lainehilla

曲: メラルティン (Erkki Melartin,1875-1937) フィンランド   歌詞言語: フィンランド語


Mikä on laulu lainehilla,
soitto aalloilla sorea?
“laiva aaltoja ajavi,
häävene vesiä käypi.”

Kenen on kulta kulkemassa
kenen on häätulet hämyssä?
“Sirkan on vesillä venho,
sirkan tuoma tuhtopuullta.”

Kuka on kulta heinäsirkan?
“Lepinkäinen leppälintu”
Minne matka miekkosien?
“Saarelle selälliselle,
terhenniemen tanterelle!”

揺れながら波が歌うのは何?
流れてくる音楽はとても素敵
「大波の中を滑り出していく
 新婚の船は水の上 」

誰と一緒に旅に出るの?
誰に暁のそよ風が吹くの?
「野雀の船は水の上
 隣に可愛い花嫁を乗せて」

誰が野雀の結婚相手?
「優しくさえずるモズの鳥」
どこへ行くの お二人さん?
「はるかかなたのあの島へ
 霧の岬のあの向こう」


北欧音楽のディープなファンに人気の高いフィンランドのメロディスト、エルッキ・メラルティンの代表的な歌曲です。
北欧の大自然を魅力的に描く作曲者の作品らしく、爽やかな海の風に乗ってハネムーンへと乗り出す不思議なカップル、英訳のタイトルが”Grasshopper's Honeymoon”とあったので、てっきりバッタのことかと初めは思いましたが、訳していくうちにどうもそれではおかしい、と思い調べてみると、
http://www.mbr-pwrc.usgs.gov/id/framlst/i5460id.html
(イナゴヒメドリ)
という鳥であることが分かりました。
野原で暮らすスズメのような鳥です。草原を跳ねるように飛ぶからグラスホッパーなのでしょうか?
確かに鳥のさえずりのような伴奏で始まる爽やかで軽快な歌は鳥達の愛の挨拶、初夏の野原を散歩する旅人の心を弾ませる素敵な光景なのでしょう。聴くものの気持ちも幸せになる素敵なハネムーンの歌です。

録音は残念ながら私の知る限りは、バリトンのヒュンニネンの2つのみ。ひとつはピアノ伴奏でとても歯切れよく歌われます。
(BIS Finnish Vocal Music)。もうひとつはオーケストラ伴奏で結構派手に歌われます(Ondine)。ここはやはりピアノ伴奏の方が爽やかさが際立って良いでしょう。伴奏のラルフ・ゴトーニも熱演です。

( 2004.05.11 藤井宏行 )


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