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Czary    
 
魔法  
    

詩: ヴィトヴィツキ (Stefan Witwicki,1801-1847) ポーランド
      Czary

曲: ショパン (Fryderyk Franciszek Chopin,1810-1849) ポーランド   歌詞言語: ポーランド語


To są czary,pewno czary!
Coś dziwnego w tym się święći;
Dobrze mówi ojciec stary,
Robię,gadam bez pamięci.

W każdym miejscu,każdą dobą,
Idę w lasy czyli w jary;
Zawsze widzę ją przed sobą.
To są czary pewno czary!

Czy pogoda sprawia ciszę,
Czy wiatr łamie drzew konary;
Zawsze,wszędzie głos jej słyszę
O! to pewno,pewno czary!

W dzień się myślą przy niej stawię,
W nocy kształt jej biorą mary;
Ona przy mnie w snach,na jawie:
jestem pewny,że to czary!

Gdy z nią śpiewam,czuję trwogę
Gdy odejdzie,żal bez miary;
Chcę być wesół i nie mogę!
Ani wątpić,że to czary!

Na to miłe słówko rzekła,
Przywabiła mnie do domu,
By zdradziła by urzekła!
Ufajże tu teraz komu!

Lecz czekajcie,mam ja radę,
Po miesiącu znajdę ziele;
A gdy zdradą spłacęczdradę,
Będzie,musi być wesele!

こいつは魔法だ、魔法にちげえねえ
なんだか不思議な奇跡が起こっちょる
父ちゃんが言ってたとおりじゃ
おら 夢中で喋っちまっとるぞ

どんなとこでも、どんな日も
おらは森やら谷間に分け入って
目の前にあの子を見ちまうんだ
こりゃきっと魔法にちげえねえ

天気がえれえ静かな時だって
風が木の枝をへし折るような時だって
いつでもどこでもあの子の声が聞こえるんだ
おお!こりゃきっときっと魔法じゃあ

昼の間はあの子のそばにいることばっか考えるし
夜は夜であの子の姿が現れ出てくるんじゃ
あの子はおらのそばにおる 夢の中でも覚めてても
ちげえねえ こりゃ魔法じゃあ

あの子と一緒に歌おうもんなら おら怖くなるのに
あの子が行っちまおうもんなら 悲しくてたまんなくなる
陽気になりてえんだども おらにゃできねえ
疑うことなんぞできねえ こりゃ魔法じゃ

うまいことあの子はささやいて
おらを家に誘ってくれたけんど
そりゃうまく乗せてだますためだあ!
おら もう誰も信用できねえだ!

けど待てよ、うまい手があるぞ
ひと月もありゃあ 惚れ薬の草を見つけて
この裏切りに報いてやるんじゃ
それさえありゃ 結婚式ができるんじゃあ!


この曲はショパンの死後発見された楽譜から17曲の歌曲集が編まれたときに、ショパンの作品であることが疑わしいということで歌曲集に入れられなかったのだそうですが、のちにショパンの作であろうということになり、現在は19曲の中にカウントされております(もっとも現在でも別人の作ではないかという説もあるようですが)。
確かにショパンの他の曲に比べると暗く激しいスラブ的熱情が色濃く出ていて、聴いていてもまるでロシア民謡のよう。ゴツゴツと激しいメロディとリズムは「ワルツ」や「ノクターン」を書いたのと同じ手になるものとは思えないのも無理はないかも知れません。作曲は1839とされており、仮にショパンの歌曲であったとしても最初期の作品のひとつになります。
というわけで、民謡っぽい響きを生かすべく、ちょっと「日本むかし話」風のアレンジを訳には加えてみました。ご批判もあろうとは思いますが、この歌詞にありますような「惚れた娘に夢中になっていることをいぶかしみ、魔法の力に戦慄するというのはなんだかこんな感じがあっていそうです。最後は惚れ薬の力にすがろうとするあたり、すっかり正気を失っているようにも見えますので、あまり真面目に訳すとかなりドロドロした印象を受けましたもので。

( 2010.10.10 藤井宏行 )


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