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Nur wer die Sehnsucht kennt   Op.98-3  
  Lieder Und Gesänge Aus Wilhelm Meister
ただ憧れることをご存じな方だけが  
     ヴィルヘルム・マイスターよりの歌曲と歌

詩: ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832) ドイツ
    Wilhelm Meisters Lehrjahre (ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 1796) Vol.4 Ch.11 Nur wer die Sehnsucht kennt

曲: シューマン,ロベルト (Robert Alexander Schumann,1810-1856) ドイツ   歌詞言語: ドイツ語


Nur wer die Sehnsucht kennt,
Weiß,was ich leide!
Allein und abgetrennt
Von aller Freude,
Seh' ich ans Firmament
Nach jener Seite.。
Ach! der mich liebt und kennt,
Ist in der Weite.
Es schwindelt mir,es brennt
Mein Eingeweide.
Nur wer die Sehnsucht kennt,
Weiß,was ich leide!

ただ憧れることをご存じな方だけが
知っているのです、私が苦しんでいることを
ただひとり隔てられ
このすべての喜びから
私は空を見つめます
あの方角へと向かって
ああ!私を愛し 分かってくれた方は
はるか彼方
そのことで私はめまいがし、燃え立つのです
私の内臓は
ただ憧れることをご存じな方だけが
知っているのです、私が苦しんでいることを

チャイコフスキーのつけた歌曲があまりに有名なこの曲ですが、ドイツ語のオリジナルにつけられた作品もたくさんあり、全部で7回もメロディを付けたシューベルトのものをはじめとして、いくつかは決してチャイコフスキーのものと比べても遜色ない魅力的な作品です。
このシューマンのものは何と言いましょうか。暗い情念がふつふつとたぎっている怖い感じすらする曲です。この歌曲集全体にそんな雰囲気は漲っているのですけれども...
ミニヨンの歌ですが、小説では竪琴弾きの老人と二重唱で歌うという設定になっています。ふたりとも不幸と孤独とにさいなまれて苦しんでいる者同士、しかもふたりにはまだ自分たちも知らない過去の運命がありました。そんな運命を知らず知らずのうちに仄めかしているような詩と音楽です。第4巻第11章より。

( 2010.10.02 藤井宏行 )


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