TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ


Hochzeitslied   Op.3-4  
  6 Lieder
婚礼の歌  
     六つの歌

詩: 不詳 (Unknown,-) 
       原詩: Jens Peter Jacobsen ヤコブセン

曲: シェーンベルク,アルノルト (Arnold Schonberg,1874-1951) オーストリア   歌詞言語: ドイツ語


So voll und reich wand noch das Leben
Nimmer euch seinen Kranz,
Und auf den Trauben spielt in kühnem
Schimmer der Hoffnung Glanz.

Im Laube welch ein Glüh'n des farbigen Saftes,
Und wie die Töne klar zusammenfließen!
Ergreift das Alles,schafft es,
Erlebt es im Genießen!

Der Jugend Allmacht kocht in eures Blutes
Feuriger Kraft,
Nach Taten drängt,nach Schöpfung freien Mutes
Der frische Saft.

So spannt denn eurer Welt tollkühne Bogen,
Die schlanken Säulen hebt zum Himmelzelt;
Füllt mit des Herzens Flammenwogen
Die neue Welt!

そんなに気前良くこの人生が 
お前たちにその豊かさを分け与えるはずがないけれど、
ブドウの房の上で大胆な輝きをしてたわむれているのだ 
希望の炎は

木の葉はなんと色とりどりの樹液で輝いていることか、
そして音は何と澄み切って響いていることか!
そんなすべてのものを受け取り、経験し、
楽しむがいい!

若さゆえの全能感はお前たちの血の中で燃えている
荒々しい力となって
せきたてる動きを追い求め、自由な魂の創造を追い求める
新鮮な樹液の魂の

そんな風にお前たちの世界に大胆なアーチを張るために、
細い柱を空に打ち立てるのだ
心の炎の波動で満たされた 
この新しい世界!


この曲はシェーンベルクの歌曲の中でも最も古典的な佇まいを示しています。まるでシューマンの歌曲のようにさえ聴こえ、非常に素朴で耳に優しいですが、その分シェーンベルクの個性は弱まってしまっているかも知れません。シェーンベルクのこの歌曲集の中からいくつか選んで録音しているフィッシャー=ディースカウもこの曲は省いていますが、それもまあ仕方ないかな、と思えなくもありません。

詞のイエンス・ペーター・ヤコブセン(1847-1885)はシェーンベルクのファンの方にはおなじみの名前でしょう。
デンマークの人ですが、その作品「サボテンの花開くとき」の一部がシェーンベルクによって有名な大作「グレの歌」となっていることで有名です。こちらの「婚礼の歌」ももともとはデンマーク語の詩だと思うのですが出所は突き止められませんでした。

( 2010.09.30 藤井宏行 )


TOPページへ  更新情報へ  作曲者一覧へ