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ぬしは牛飼い    
  日本の笛
 
    

詩: 北原白秋 (Kitahara Hakusyuu,1885-1942) 日本
    日本の笛 (1922)  ぬしは牛飼い

曲: 平井康三郎 (Hirai Kozaburo,1910-2002) 日本   歌詞言語: 日本語


ぬしは牛飼い
笛吹き上手
いつも横眼に
見て通る

見やれ 水甕
黄八丈の羽織
わたしゃ 頭も
濡らしゃせぬ



ばりばりの日本民謡風の情緒が古臭いと思う若い人もいるかも知れませんが、ここで歌われている内容は今にでも通じる洒落た恋の歌の詞で、現代にアレンジすれば十分アイドルポップとして通用する内容です(もちろん牛飼いとか水甕とかいう小道具は今風のものに変えなければなりませんが)
余計なお世話ですが今風の言葉(といっても私ももう歳ですから若い人の言葉遣いはよく分からないのですが)で翻訳してみると

  あなたは牛飼い
  笛を吹くとステキ
  なのにいつでも横目で
  あたしのことを見て通り過ぎるだけなのね

  見てよ あたしの頭の上の水瓶
  あたしの着てる黄八丈の着物を
  そんなことじゃあたしのハートを
  濡らすことなんかできないわ

ずいぶん積極的な女の子ですね。もっとも心に思っているだけできっと口にはしていないのでしょう。「もー じれったい」って。
「黄八丈」という言葉からも類推できるように、この詩は伊豆の八丈島が舞台です。
ばりばりの日本民謡と冒頭に書きましたが、前奏や間奏に繰り返されるピアノのメロディは美空ひばりの歌った「お祭りマンボ」を思わせ、結構斬新な響きも含んでいます。

( 2010.09.11 藤井宏行 )


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